【中国・上海26日発】新時代の到来に真央は何を思うのか。フィギュアスケートの世界選手権2日目、女子ショートプログラム(SP)で異次元の滑りを見せたエリザベータ・トゥクタミシェワ(18=ロシア)が首位に立った。浅田真央(24)の専売特許だったトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)をきれいに決め、他を圧倒した。



 日本勢は宮原知子(17=大阪・関大高)が67・02点で3位。調子を崩していた村上佳菜子(20=中京大)が65・48点で4位。本郷理華(18=愛知みずほ大瑞穂高)が62・17点で5位とメダル獲得へ好発進した。宮原は「想像したより高い点数が出てうれしい。このままフリーも頑張って、思い出に残る楽しい試合になればいい」と笑顔を見せた。

 しかし日本勢が手放しで喜んでもいられない現実を、ロシアのエースが突きつけた。トゥクタミシェワは、挑戦を表明していた冒頭のトリプルアクセルをきれいに決めると、3回転ルッツ、2連続3回転ジャンプも成功。すべて加点をもらい、77・62点という高得点で他を引き離し首位に立った。トリプルアクセルは真央だけが跳べるという高難度技だった。だが、樋口新葉(14=日本橋女学館中)を指導する岡島功治コーチが「これからはトリプルアクセルや4回転ジャンプが不可欠になる」という言葉どおり、あっさりと公式戦で決める選手が出てきた。


 トゥクタミシェワの得点は真央、キム・ヨナ(24=韓国)に次ぐSP世界歴代3位。技術点だけで44・09点を稼いでいる一方、表現力を示す演技構成点は33・53点とまだまだ成長段階。今後の伸びしろも十分とあって、この先も得点を伸ばすのは間違いないだろう。


 現在休養中の真央は、19日の中京大卒業式で今後について「どうなるか分からない」と話している。果たして自分以外にもトリプルアクセルを決める選手が現れた現状をどう考えるのか。今後の去就決断にも大きな影響を与えるかもしれない。