フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦・NHK杯(13日、東京・代々木第1体育館)で3年ぶり2度目の優勝を飾った宇野昌磨(23=トヨタ自動車)が14日、オンラインで一夜明け取材に応じ、心境の変化を明かした。

 2018年平昌五輪で銀メダルを獲得するなど、世界の舞台できっちり結果を残してきた宇野だが「自分の立ち位置が1位を争い続ける選手になったことはない。世界選手権とか(GP)ファイナルで良くて2位なんですよね。前までは(1位に)なれたらいいな、嬉しいなって感じで、自分のやれることをやって、なれたら嬉しいなっていう気持ちだった」。頭のどこかで〝受け身〟になっている自分がいたという。

 ところが、月日は流れ、トップへの思いが強くなっていった。「今は(1位に)なれたら嬉しいなというより、なれるような練習をするという考え。自分でここが限界と決めずに、どんどん先を見据えて成長していきたいという意思が今はある」。NHK杯で頂点に立っても、慢心は一切なし。「もっともっと毎日パフォーマンスが上がるような練習をしていけたら」とさらなる高みを見据える。

 今季は勝負の北京五輪イヤー。「ちゃんと1位を争う立場に立ちたい」。ひと皮むけた宇野に〝覚醒〟の予感が漂っている。