フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦のNHK杯(東京・代々木第1体育館)で3年ぶり2度目の優勝を飾った宇野昌磨(23=トヨタ自動車)の勝利の要因は意外なところにあった。

 試合後、宇野は「本当に全ての出来事が偶然じゃなく、必然とできている実感を持ちながら滑れました」と晴れやかな表情を浮かべた。その一番の要因を問われると「靴ですね」と答えた。

「僕は靴を3週間おきに替えていたんですよ。それだと1週間から2週間は調子を戻すことに費やさなければいけない。そう考えると、ちゃんと自分の練習ができていなかったのが1、2年続きました」

 数々のタイトルを手にしながら、足元に悩みを抱えていたようだ。しかし、今季になって転機が訪れた。

「今年はシーズンオフに靴を毎日調整して『なんで、できないのか』『どれがいいのか』ってやり続けた。それによって今やりたい練習を日々できる。それが今年のフリープログラだったり、少しずつ日々の成長につながっているんじゃないかなと思います」

 世界一へ向けて〝足場〟は固まったようだ。