2018年平昌五輪フィギュアスケート男子銀メダルの宇野昌磨(23=トヨタ自動車)の飽くなき〝探求心〟が垣間見えた一幕があった。

 グランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯初日(12日、東京・代々木第1体育館)の男子ショートプログラム(SP)で宇野は、今季自己ベストの102・58点をマーク。GP第1戦のスケートアメリカで絶対王者ネーサン・チェン(米国)を破ったビンセント・ジョウ(米国)に約3点差をつけて、首位に立った。

 それでも、演技後の会見では終始反省の弁を述べていた宇野だが、報道陣からビンセントについて問われると表情に変化が。「試合とは関係ないところかもしれませんが」と前置きした上で「アメリカ大会でビンセント選手は出ている選手の中で一番、ショート、フリーともに滑り込んでいる。全員の選手は見ていないから分からないが、僕が見る限り、このシーズンオフ、そしてアメリカ大会まで誰よりも練習していたんだなっていうのが練習から見て取れた」と尊敬の念を口にした。

 さらに「いつか日々の練習を見る機会があれば、練習を見て、それ以上に練習できる精神力を持って練習に励みたい」とコメント。ライバルからも盗める者は盗む。常に高いレベルを見据えているこその言葉だった。