フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦のNHK杯初日(12日、東京・代々木第1体育館)、ペアのショートプログラム(SP)が行われ、〝りくりゅう〟こと三浦璃来(19)、木原龍一(29=ともに木下グループ)組が今季自己ベストとなる73・98点をマークし、3位スタートを切った。
 第1戦スケートアメリカで日本人同士のペアでGP初の銀メダルを獲得した話題のペア。冒頭のトリプルツイストを決めると、続く3回転トーループも息を合わせて着氷。演技後には観客から万雷の拍手を送られ、自己ベストの得点が出た瞬間は体全体で喜びを表現した。

 常に高みを目指すペアらしく、試合後は反省の言葉が先に出た。「自分自身、恐る恐るプログラムをしていたので、もうちょっと落ち着いて滑りたかったなと思っています」(三浦)。木原も「まだ取りこぼしが出ていて、もったいなかった」と話したが、すぐに「毎試合コンスタントにできるようになってきたのはすごく良かった」と笑顔を見せた。

〝りくりゅう〟が常に抱くのは「前回の自分たちに勝つ」という目標だ。この試合後も木原は「明日(13日)も変わらず前回の自分たちに勝ちたい」と言い、スケートアメリカ2位の208・20点を超えるべく「コツコツと209点に設定して頑張りたい」と話した。

 観客の拍手も大きなパワーとなった。木原は「昨年は披露する機会がなかったので、1年たって日本のファンの皆さんの前で成長した姿を見られたのはすごく良かった」、三浦は「お辞儀をしている時とかに皆さんが立ち上がってくださった。自国開催のグランプリ(シリーズ)なので、いつも以上に心強かったです」と喜んだ。

 13日のフリーで好成績を出せば、GPファイナル(12月9~12日・大阪)進出も現実味を帯びる。最後に三浦が「明日は失敗を気にせず、自分たちらしくノビノビと滑りたいと思います!」と言うと、2人は「頑張りましょう!」と声を合わせた。