北京五輪シーズンの真っただ中に衝撃が走った。フィギュアスケートの五輪2連覇・羽生結弦(26=ANA)がグランプリ(GP)シリーズ第4戦のNHK杯(12~14日、東京・代々木第一体育館)を「右足関節靭帯損傷」により欠場。前人未到のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)の成功を狙った今季初戦直前に思わぬ事態に見舞われた。

 羽生は日本スケート連盟を通して「たった一度の転倒でケガをしてしまい、とても悔しく思っています。(中略)痛みをコントロールしながら氷上でのリハビリをし、競技レベルに戻るまでの期間をなるべく短くできるように努力していきます」とコメントしたが、気になるのが今後だ。エントリーしているGPシリーズ第6戦のロシア杯(26~28日、ソチ)は日数を考えても欠場が濃厚で、GPファイナル(12月9~12日、大阪)の出場も絶望的。しかし、来年2月の北京五輪出場への道は残されている。

 日本連盟の選考基準によると、出場3枠をかけた最終選考会の全日本選手権(12月22~26日、埼玉)について「参加は必須である」と記されているが、注釈には「ただし、過去に世界選手権大会3位以内に入賞した実績のある選手が、けが等のやむを得ない理由で全日本選手権大会へ参加できなかった場合、不参加の理由となったけが等の事情の発生前における同選手の成績を上記選考基準に照らして評価し、大会時の状態を見通しつつ、選考することがある」と記載されている。

 つまり、3枠目の条件「ISUワールドスタンディング(世界ランキング)上位3名」などを満たせば、全日本を欠場しても選出の可能性があるのだ。いずれにせよ、まずは羽生の言葉通りに一日も早くケガを治すことが先決と言えそうだ。