劇的な進化を遂げるフィギュアスケート女子の流れに、休養中の浅田真央(24=中京大)はついていけるのか。10日に行われたアイスショー「スターズ・オン・アイス」(大阪・なみはやドーム)に出演した真央は多くのファンから大声援を浴びたが、その一方で新女王の座を狙うライバルたちの新たな戦略が判明した。

 真央の代名詞といえばトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)。現在、トリプルアクセルは真央しか跳ばず、公式戦で4回転ジャンプに挑む選手もいない。技術的に真央の“天下”は続いているが、昨年末の全日本選手権で3位に入った樋口新葉(ひぐち・わかば=14、日本橋女学館中)がトリプルアクセルの導入を目指し練習中だという。中学2年生の樋口はジャンプに定評があり、将来的には4回転トーループも組み込む予定。世界との勝負に向けて高い目標を立てている。

 それだけではない。樋口を指導する岡島功治コーチは「ロシアなど海外の選手がトリプルアクセルを練習していて、中国の選手はちゃんと下りている(成功している)そうです。世界と戦うためには、習得は不可欠です」と驚きの証言。トリプルアクセルがもはや真央の専売特許ではなくなる時が、すぐそこまで来ているというわけだ。

 真央はこの日、去就について触れなかったが「スケートは5歳からともに歩み、成長してきたもの。休養したことで、スケートが好きなんだなと感じることができた。2015年が終わった時に、充実した1年だったなと思えるようにしたい」といずれの道でも完全燃焼を誓っていた。

 レベルアップが進む海外勢や新星たちに対し、スケートの申し子はどんな答えを出すのか。