羽生完全復活!日本人男子初のGPファイナル連覇見えた

2014年12月13日 18時00分

【スペイン・バルセロナ12日(日本時間13日)発】フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ上位6人で争われるGPファイナル。男子ショートプログラム(SP)で、ソチ五輪金メダリストの羽生結弦(20=ANA)は今季世界最高となる94・08点をマークし、首位発進した。6人中6番目と、ギリギリで出場切符をつかみながら一気にトップへ。大逆転で日本人男子初のGPファイナル連覇を目指す。

 

 今大会は獲得ポイント下位からの滑走となるため、1番手でリンクに登場した羽生は演技前、胸の前で手を合わせ、祈りながら心を落ち着かせた。そしてショパンの「バラード第1番」に合わせ、優雅に演技を始めると、冒頭の4回転トーループをきれいに決め勢いに乗る。続くトリプルアクセル(3回転半)を完璧に決め、2連続3回転ジャンプで転倒したが、しなやかな動きで観客を魅了。いきなり今季世界最高の94・08点を叩き出して後続にプレッシャーをかけた。


 演技後は解放されたかのように笑顔を見せた。「体力はあった。息切れする感じもほとんどなかった。ジャンプの転倒はまだ弱いところ。(体調などを)考えずに集中できたのは幸せ、久しぶりに笑って終えられた」


 11月8日の中国杯フリー直前の6分間練習で中国選手と衝突。頭部から流血し、左大腿部など5か所を負傷し、全治2~3週間という診断を受けた。治療に専念し、練習時間も短いためNHK杯(同28、29日、大阪)辞退も予想されたが「(2位になった)中国杯での滑りを無駄にしたくない」とGPファイナルを目指し強行出場。しかしアクシデントの影響は大きくSPでは5位発進。総合で1つ順位を上げるも4位に終わった。


 それでも目標にしていたGPファイナルの出場権をギリギリ6番目でつかんだ。チャンスを逃す男ではない。NHK杯後はハードな練習を再開。「かなり追い込んだ練習をしてきた。自分を信じて戦いたい」と意気込み、スペイン入りしていた。


 GPファイナルにどこまでもこだわってきた羽生。「無理をする必要はないのでは」という声も多かったが「羽生は五輪や世界選手権で勝っても常にチャレンジャーの気持ちを忘れていない。GPファイナルを連覇すれば日本人男子では初。これまでも“初”を達成してきたし、目標を簡単にあきらめないでしょう」(日本スケート連盟関係者)。貪欲な姿勢が若き五輪王者の原動力となっている。


 さらに「中国杯の前には、戻れない。乗り越える壁があることほど、楽しいことはない。課題があることは本当に幸せ」(羽生)という超前向き思考で取り組み、見事に壁を越えてきた。


 13日(日本時間14日)のフリーでは、「オペラ座の怪人」を演じる。中国杯、NHK杯ではジャンプのミスが続いており、完璧な演技を披露したいところ。


 高い目標を持つ五輪王者が、満を持して世界で躍動する。