ミス連発でも2位…「逆に羽生はすごい」の声

2014年11月08日 16時00分

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第3戦・中国杯(7日、上海)男子ショートプログラム(SP)で、今季初戦のソチ五輪金メダリスト・羽生結弦(19=ANA)はジャンプでミスを連発し82.95点。まさかの2位発進となった。10月に腰痛を発症したなかで思わぬ試練に直面したが、一方で「逆に羽生はすごい」の声も。どういうことか。また、女子SPでは村上佳菜子(20=中京大)が60.44点で3位発進した。

 

 ショパンの「バラード第1番」に合わせ、しなやかに演技を始めた。最初のジャンプ、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を難なく決め大歓声を受けたが、後半に落とし穴が待っていた。得点が1.1倍になる後半にあえて組み込んだ4回転ジャンプが3回転に。さらに2連続3回転ジャンプが単発のルッツになった。「もう最悪のひと言。ひどかったです」と羽生自身が口にするほどの演技で、まさかの2位スタートになった。

 

 昨季はGPファイナル、ソチ五輪、世界選手権を制覇し、誰もが認める世界ナンバーワンに成長した。羽生の強みは安定感で「羽生の場合はライバルうんぬんより、体調管理が最も大事な課題。昨季の安定感を見れば、体調さえ万全ならば今季も安泰だろう」(フィギュアスケート関係者)との見通しがあった。

 

 まさに「敵は自分にあり」の状況だったが、今季は腰痛を発症。初戦として予定した先月のフィンランディア杯を欠場した。この日は「調子自体は悪くなかった」(羽生)と話したが、実戦の計画がずれた影響は少なからずあったはず。「体調さえ万全なら…」が、万全にはほど遠かった。

 

 それでも「こんなんでよく2位になったなと思った」と自ら振り返るほど、ミスのわりには高得点が出た。フィギュアスケート解説者の杉田秀男氏もこう驚く。

 

「複数のミスをしてもあれだけ得点が出たのは逆に『すごい』と思いますよ。プログラムとしての表現力、全体のまとまりが1つ上のレベルだと(ジャッジに)理解されていますね」。技術を含めた総合評価は不動のままで、ミス連発が逆に世界ナンバーワンの“地位”を証明した格好だ。

 

 8日のフリーで巻き返せるか。金メダリストの真価の発揮しどころだ。