フィギュアスケートの五輪2連覇・羽生結弦(26=ANA)が世界国別対抗戦(丸善インテックアリーナ大阪)の閉幕から一夜明けた18日、リモート取材に応じた。

 新型コロナウイルス禍による異例のシーズン。様々な思いを抱え、試合に出場するか否かの決断にも迫られる一年だった。その今季を振り返った羽生は、地元・宮城県仙台市を襲った東日本大震災の翌年に出場した世界選手権(3位)が脳裏に浮かんだという。

「あの時はもっともっと若くて、日本代表で自分の力で取った派遣なんだから被災地代表って言われたくないって気持ちもありましたし、自分自身でいろんなものを勝ち取りたいって思っていたんですけど、最終的に感謝の気持ちがすごく出てきて。僕が応援している立場じゃなくて応援されてるんだっていうものがまた今回すごく感じられた。結果として自分が滑っていいのかなと、自分が滑ることによって何かの意味をちゃんと見いだしていければ、それは自分が存在して良い証しなのかなってちょっと思いました」

 いつものように「とりとめのない話で」「長くてすみません」と恐縮しつつ、自分の思いを丁寧に言葉で表現。「でも僕は言葉のプロじゃなくて、どっちかというとスケートで表現したい。できればスケートで表現できる道が取れればなと思います」とも話した。

 取材の最後、あまり知られていない私生活も明かした。一日のスケジュールについて「朝起きてすぐ掃除をして、ご飯ができるまでにイメトレとかフォームチェックとかをいろいろして、ご飯を食べて体をケアして、練習行って、帰ってきて、お風呂入って、ケアしてご飯食べて寝る…みたいな生活しています」と説明し、娯楽は?との問いに「今、ゲームしてます。今、モンスターハンターにハマっています」と笑った。

 取材後はエキシビションにも出場し、ファンの声援に応えた。