フィギュアスケートの世界国別対抗戦(丸善インテックアリーナ大阪)の女子ショートプログラム(SP)が15日に行われ、全日本女王の紀平梨花(18=トヨタ自動車)は69・74点で4位となった。

 大会直前、ジャンプの練習を繰り返す中で腰の痛みに襲われた。前日には「腰がもう無理かなって感じ」と苦笑交じりに漏らし、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は「痛みと相談」と語っていた。

 迎えたSPの最終滑走、冒頭で3回転半に果敢に挑戦。しかし、着氷に失敗して転倒してしまった。その後のコンビネーションジャンプは成功させたが、この減点が大きく響いた。

 試合後、失敗の原因を「後ろの方に軸が傾いたので、ちょっとタイミングが合わせられなかった」と口にしたが、表情は明るかった。腰の具合は「徐々に良くなっている」というが、それ以上にメンタルが充実している。

「このアクシデントは自分でも驚いたんですけど、ネガティブな気持ちで起きた事故や痛みじゃなくて、しっかりと練習して痛くなった感じなので、これは私に与えられた経験というか、試練というか、必要な学びだと私は捉えているので、あまりネガティブな方向にならなかったのかなって思います」

 フリーでも痛みと上手に付き合うことが必要。全日本女王は「挑戦したからこそ学べると思う。その学びをしっかりフリーで生かし、クリーナーアクセルを跳びたい」と巻き返しを誓った。

 なお、世界選手権覇者のシェルバコワ(16=ロシア)が81・07点で首位。日本の坂本花織(21=シスメックス)は自己ベストの77・78点をマークして3位となっている。