フィギュアスケートの世界選手権(スウェーデン・ストックホルム)の男子ショートプログラム(SP)で五輪2連覇の羽生結弦(26=ANA)が106・98点をマークして堂々の首位発進。4年ぶり3度目の世界王者へ大きく前進した。

 羽生は、かねて挑戦を表明している人類初のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)について「自分としてはこの試合(フリー)で入れたかったというのも本当の気持ち。かなりギリギリまで粘って練習していたんですけど、最終的に入れることができなかった」と今大会での投入を封印。決断した時期は「(現地入り前の)出発の3日くらい前」と説明した。

 その一方で、前人未到の大技を会得する過程で体操の五輪2連覇・内村航平(32=ジョイカル)からヒントを得たことも明かした。昨年末に内村が成功させた鉄棒のH難度の大技「ブレトシュナイダー(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)」に大きな刺激を受けたといい「自分にとって4回転半がかなり大きな壁なので、どうやって回転数を増やしていくのか、どうやってジャンプの高さや滞空時間をのばしていくのかって考えたりもしていました」と話した。

 年齢を重ねても大技に挑み、ともに五輪3連覇を期待される2人は超一流同士にしか理解できない“絆”でつながっているようだ。