24日に開幕したフィギュアスケートの世界選手権(スウェーデン・ストックホルム)、女子ショートプログラム(SP)で昨年末の全日本女王・紀平梨花(18=トヨタ自動車)は79・08点をマークして2位発進した。81・00点で首位発進のアンナ・シェルバコワ(16=ロシア連盟)とは1・92差。フリーでの逆転に向けて射程圏内につけた。

 すべてのジャンプを着氷させた紀平だったが、思ったより点数は伸びず、自己ベストの83・97点には遠く及ばなかった。原因は今季からの〝新ルール〟「ちょうど4分の1回転不足」による減点だった。

 冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)、フリップ―トーループの3回転連続ジャンプはともに着氷。速報値では高い出来映え点(GOE)がつけられて成功と思われたが、試合後の採点表には3回転半とトーループに4分の1回転不足を意味する「q」マークがあった。基礎点はそのままでGOE減点というルールが採用され、速報値から大きく下がってしまったのだ。

 このルールは昨季まで存在した「4分の1回転未満」「4分の1回転以上、2分の1回転未満」の間に追加されたもの。肉眼で判定するには難しい〝数ミリ級の回転不足〟に足をすくわれてしまった形だ。

 試合後、紀平は「とりあえず3つのジャンプが着氷できて良かった」と及第点を与えつつも「まだ100%とは言えない」とコメント。さらに「フリップ―トーループが自分の中でベストのジャンプじゃなかった。もう少し練習で確認し、フリップの後に流れが出せたらもっといいジャンプが飛べたと思う」と話した。

 課題克服の可能性は十分あるだけに、26日(日本時間27日)のフリーでの逆転Vに期待できそうだ。