先のフィギュアスケート世界選手権(埼玉)で4年ぶり3回目の優勝を果たした浅田真央(23=中京大)が、「東日本大震災チャリティー演技会2014」(2日・神戸市立ポートアイランドスポーツセンター)に出演。演技後は3時間にわたり募金活動にも参加。この舞台裏で真央は“男気”を見せていたという。

浅田真央 恐怖のストーカー被害

 高橋大輔(28=関大大学院)が発起人を務めるイベントに大トリで友情出演。東日本大震災が起きた2011~12年シーズンで演じた「ジュピター」のしっとりとした曲調に合わせ、しなやかに演じた。

「願い、希望をテーマに作った曲だった。復興支援イベントには一番ふさわしいと思った。去年も声をかけてもらっていたが、スケジュールの都合でなかなか出られなかった。何か自分ができることはないかな、と思っていたので、参加できてうれしかった」(真央)

 演技後は高橋ら出演選手とともに、約3時間にわたり募金活動に協力。もちろん立ったままだったが、終了まで参加してファンにあいさつしながら多くの募金を集めた。

 今回の演技会参加は、真央の“男気”あふれる性格が影響した。もともとは高橋から出演依頼があり、真央は内々に了承していたという。しかしソチ五輪、世界選手権とビッグイベントが続いたシーズンを終え、体力は限界に近い状態。そのうえこの演技会の募金活動は例年、長時間にわたることで知られている。出るとなれば相当な労力と覚悟が必要で、本当に大丈夫かと心配する向きもあったという。

 事前には真央の出場は発表されておらず、キャンセルも可能の状況だったが、優勝で締めくくった世界選手権後に出した答えは「イエス」。大震災復興支援のためはもちろんのこと、長年ともに戦ってきた高橋との約束を守った格好。抜群の集客力を誇る高橋のイベントだけに、真央の参加が正式発表された2日前の時点ですでにチケットは完売していたが、国民的ヒロインが慈善活動に参加した意義は大きかったはずだ。

 この日は注目の去就についての発言はなく、終始にこやかにイベントをこなした。競技にはストイックなことで知られる真央だが、リンク外でも「約束は絶対守る」という頑固一徹なアスリートらしい一面を見せた。