フィギュアスケートで今季、大注目を浴びるアイスダンスの〝かなだい〟こと高橋大輔(34=関大KFSC)、平昌五輪代表・村元哉中(27=同)が、その絆をさらに強固にしている。

 千葉・船橋市に誕生した通年型アイススケートリンク「三井不動産アイスパーク船橋」のオープン祝賀イベントが行われた10日、2人は新リンクで公開練習を行った。

 年齢は高橋が7個上だが、アイスダンス歴では村元が〝大先輩〟。そのため、練習中は常に村元がリードしている。しかし、高橋はシングルで世界の頂点に立った男。それを村元は最大限にリスペクトしており、この絶妙なバランスが2人の魅力にもなっている。

 練習後、2人は自分たちの関係性について言及した。高橋は「リードしてもらっています。ステップやパフォーマンスの仕方だったり、まだ僕には分からないことがある」と素直に認めたが、村元は意外な反応を示した。

「ダンスに関してはそうですけど、メンタル的には結構、頼っている部分があるんです」

 練習中は先生役の村元だが、いざ本番になると「意外に焦ったり、緊張したりする」といい、高橋も「そう、なんか焦ってる。せっかち!」と一刀両断した。

 実際、高橋は場数が違う。世界の大舞台を何度も踏んでいるだけに、試合中は「大ちゃんの方が落ち着いている」(村元)とパワーバランスが逆転するという。

 そして、最後に2人は口を揃えて「いいバランスが取れています」と言い切った。長く組んだアイスダンスのカップルは夫婦のような関係とも言われ、ケンカ別れするケースもある。だが、絶妙なバランス関係を保つ〝かなだい〟に、その心配はなさそうだ。