ソチ五輪が23日、閉幕した。日本は金1、銀4、銅3と長野五輪に次ぐ冬季五輪史上2番目の好成績を収めたが、日本選手団の橋本聖子団長(49)は総括会見で硬い表情を崩さなかった。


 フィギュアスケート男子の羽生結弦(19=ANA)の金メダル、ジャンプ男子の葛西紀明(41=土屋ホーム)の2個のメダル獲得などは日本選手団を盛り上げたが、長野を超えるという当初の目標は達成できず。しかも、古巣のスピードスケートは2大会ぶりとなるメダルゼロに終わり、橋本団長もヌカ喜びできない事情があった。


 さらに、今大会は“外野”にも足を引っ張られた。特にフィギュア勢は開幕前に高橋大輔(27=関大大学院)のショートプログラム使用曲をめぐりゴーストライター騒動”が勃発したばかりか、終盤にも森喜朗元首相(76)が浅田真央(23=中京大)について「あの子、大事な時には必ず転ぶ」などと“失言”。さらには真央を団体に起用すべきではなかったと発言し、振り回された。


 橋本団長は森発言について「報道の範囲内でしか分かっていない。発言の真意が全く分からない中で、私からは発言できない」と言及を避けたものの、真央の団体起用には「選手は全力を尽くしてチームジャパンとして高い目標を目指していくのは当然の行動」と語気を強めた。


 一方、新たな課題も見つかった。橋本団長は「指導者の安定が必要。日本の場合はたくさんの皆さんが、ボランティア的な形で力を尽くしてもらっている。安定した報酬も国として考えていかないといけない」と話し、日本のコーチ制度の再構築を挙げた。実際、関係者によれば、コーチの報酬は外国の3分の1程度という。4年後の平昌五輪を見据えた選手の育成のためにも、まずはコーチの“プロ化”が必要。


 日本は連日のメダルラッシュに沸いたが、橋本団長の気苦労は絶えなかったようだ。