“最初で最後の五輪”町田5位「将来は裏方の仕事」

2014年02月15日 16時00分

【ソチ14日(日本時間15日)発】フィギュアスケート男子で羽生結弦(19=АNА)が金メダルを獲得したが“氷上の哲学者”町田樹(23=関大)はSP11位から「火の鳥」で巻き返し、5位に入った。

 

 冒頭の4回転ジャンプでまさかのミスが出た。「絶対の自信があり、着地の直前まで降りられる確信があった。ミスが出て驚いた」。力を振り絞り「火の鳥」を演じ切ったが、表彰台には届かなかった。「最初で最後の五輪で、心から満足する演技ができず悔しい」と厳しい表情を浮かべた。

 

 それでも「前半の失敗で肉体的にも精神的にも過酷な状況に追い込まれたが、去年までの僕だったらその後ここまでの演技ができなかった」と自らの成長を実感した。

 

 昨季は勝負にこだわりすぎ、自滅した経験があった。今季は試合中に頭の中から「勝負」の2文字を捨て、あくまで芸術作品を届けることにこだわり成績を出してきた。

 

「昨季、僕は根っからの勝負師ではないのに、気取ってその仮面をつけていた。誰かのためとか、プログラムをどう表現するかを考えたほうがいい演技ができる」。この日も最後まで表現にこだわり、入賞を果たした。目標のメダルは手にできなかったが、精一杯の「町田樹」を披露した。

 

 将来は「フィギュアスケートの裏方の仕事に興味がある」と、振り付けやショーの総合演出に携わる夢がある。「五輪はこうも大きな存在なんだと実感した。ここから多くのことを学び、次の一歩を踏み出したい」。“氷上の哲学者”はしっかりと前を向いた。