国際スケート連盟(ISU)の広報担当者は26日、新型コロナウイルスの影響で変則開催となった今季のフィギュアのグランプリ(GP)シリーズについて、得点は世界歴代最高や自己ベストなどISUの公認記録に反映しないと明らかにした。

 今季のGPシリーズ6大会は、出場者を地元選手や開催国に拠点を置く選手らに制限。そのため開催国のジャッジにばらつきが出ることが懸念されていたが、公平性を保つためにISUが決断を下した格好だ。これにより、24日まで行われていたGP第1戦のスケートアメリカ、男子ショートプログラムでネーサン・チェン(21=米国)が出した、自己ベストを上回る111・17点も非公認となる。

 もともと全日本選手権や全米選手権などのローカル大会や、GPシリーズ前に各地で行われる下部大会の得点は非公認だったが、今季はGPシリーズも同等の扱い。すでに新型コロナウイルスの影響で第2戦のスケートカナダ、第4戦のフランス杯が中止。12月に中国で予定されていたファイナルも同時期の開催を取り止め、延期か中止の判断を先送りにしているように、シリーズそのものの価値は暴落している。今回の得点非公認の決定で、選手たちのモチベーション維持が心配されるところだ。