フィギュアスケートの全日本選手権の男子フリーが22日、東京・国立代々木競技場で行われ、ショートプログラム(SP)2位発進の宇野昌磨(22=トヨタ自動車)がフリーで184・86点を叩き出し、合計290・57点をマーク。羽生結弦(25=ANA)を抑え、大会4連覇を果たした。

 冒頭の4回転フリップを着氷し、4回転トーループも何とかこらえた。3回転ループで減点されたものの、その他のジャンプは成功させてフィニッシュ。胸に手を当て笑顔で観客の声援に応えると、演技後には「最後まで伸び伸びと滑れた。自分のスケートが戻ってきたと思う」とすがすがしい表情で語った。

 昨年の平昌五輪では銀メダルを獲得。「ゆづくん」と慕う羽生が金メダルを獲得した姿を目の当たりにした。今季はさらなる飛躍を目指し「羽生選手みたいに強くなりたい」とストイックさを追い求めたが、それが裏目に出た。思うような結果が残せず、長らく指導を受けてきた山田満知子、樋口美穂子の両コーチから離れることを選択。11月からはステファン・ランビエル氏(34=スイス)のもとで再スタートを切った。

 その中で「自分はゆづくんみたいに自分に厳しく強くあることはできないが、僕は僕らしくスケートを楽しみたい」と原点に立ち返った。「やっと2年前の自分に戻った」と本来の滑りを取り戻し、番狂わせを演じてみせた。

 今大会の結果で、来年3月の世界選手権(カナダ・モントリオール)の代表に内定。今季はグランプリ(GP)ファイナル進出を逃す悔しい結果を味わっただけに、次こそは宇野らしい滑りで世界をあっと驚かせる。