フィギュアスケートの全日本選手権の男子フリーが22日、東京・国立代々木競技場で行われ、ショートプログラム(SP)首位の羽生結弦(25=ANA)はフリーで精彩を欠き、合計282・77点で2位に終わった。

 20日のSPではISU(国際スケート連盟)非公認ながら、世界最高得点の110・72点をマーク。試合前の公式練習でも、4種類の4回転ジャンプを着氷させるなど状態は悪くなかった。

 しかし、2週間前にGPファイナルを終えたばかりで疲労がたまっていた。冒頭の4回転ループの着氷が乱れて減点。続く4回転サルコーは成功したが、3回転ルッツが2回転となった。さらにトリプルアクセルでは転倒。最後まで本来の演技を取り戻せず、演技直後に思わず「終わった」と漏らした。

 まさかの結果に「言葉が見つからないです。すみません。もうなんだか分からないです」と苦笑いを浮かべた。ただ、戦いはこれで終わったわけではない。羽生が次に見据えるのは来年3月の世界選手権だ。

 ライバルのネーサン・チェン(20=米国)との通算成績は4勝4敗だが、直近2戦は連敗。3連敗は許されず、成功すれば人類初となるクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)の導入も検討中だという。悔しさをバネに、2018年の平昌五輪以来の世界王者に向けて再スタートを切る。