【フィギュア全日本】羽生へのプーさん&花束禁止令に賛否両論

2019年12月21日 16時30分

羽生は演技後に大歓声を受けたが、プレゼントの投げ込みはなかった

 フィギュアスケートの全日本選手権(東京・代々木競技場第一体育館)が過去最高の盛り上がりを見せている。男子で五輪2連覇の絶対王者・羽生結弦(25=ANA)、バンクーバー五輪銅メダルの高橋大輔(33=関大KFSC)、平昌五輪銀メダルの宇野昌磨(22=トヨタ自動車)と“氷上のビッグ3”にファンは酔いしれたが、その舞台裏で思わぬ騒動が勃発。今大会ではリンクへの花束・プレゼントの投げ入れが全面禁止となったことで、笑う者、泣く者…賛否が真っ二つに分かれているのだ。

「こんなにタレントが揃う全日本は最初で最後ではないか?」。大会関係者が興奮気味に語るように、今大会は王者・羽生と、来年からアイスダンスに転向する高橋とのシングル最後の対決。宇野を加えた五輪金銀銅メダルトリオが一堂に会したばかりか、女子も紀平梨花(17=関大KFSC)ら氷上に“華”が咲く。

 20日の男子ショートプログラム(SP)では羽生が国際スケート連盟(ISU)非公認ながら、自身が持つ世界歴代最高得点を更新する110・72点をマーク。王者の圧倒的な強さに、会場は割れんばかりの歓声に包まれた。羽生も「みなさんに期待されるからこそ、頑張らなきゃと思います」と話したが、氷上にいつもの光景がない――。大会前、公式ホームページ上に「花束・プレゼントの投げ込みは、競技進行の都合およびお客様の安全確保のため禁止とさせていただきます」との通告が掲載された。そのため羽生の演技後に恒例の“プーさん乱舞”が今回は見られなかった。

 この決定について、複数の出場選手に意見を聞くと「ちょっと寂しいけど、花束が多いとウオームアップしにくいので良かったと思う」「花束がない分、拍手と歓声がいつもより多く感じた」と賛成意見が多かった。また今大会はフジテレビが生中継。多額の放映権が発生しており、進行に影響が出ては一大事…という“大人の事情”もあり、肯定派は一定数いた。

 だが観客からは反対意見が噴出。禁止を知らずに来場した年配女性は「家族が出場しているので思い出に投げ入れたかった。残念です」。大会関係者によれば「毎年、全日本を最後にスケートにひと区切りつける学生は多い。孫や子供のはなむけに投げる伝統があった」。羽生のプーさんだけに目がいきがちだが、寂しい思いをしている人たちも多数いるのだ。約30年にわたり投げ入れ用プレゼントを販売する関係者は「売り上げは100分の1以下。ちゃんとマナーを守っている人ばかりなのに、あの事件が原因で…」と語る。

 事件とは3月の世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)。一部ファンがSNSで「一斉にプーさんを」と呼びかけて拡散。「ほとんどが中国人だった」との証言もあるが、実際に投げ込み許可の席以外からプーさんが舞う事態となり、運営側が大混乱した経緯があったという。

 賛否両論が渦巻くが、裏を返せばそれだけ大会に「熱」がある証しだろう。