フィギュアスケートの全日本選手権2日目(20日、東京・国立代々木競技場)16時12分から始まる男子ショートプログラム(SP)に向けた公式練習が行われた。

 五輪2連覇中の王者・羽生結弦(25=ANA)はSP「秋によせて」の曲かけ練習で、4回転サルコー、4回転―3回転トーループ、トリプルアクセルを着氷させる安定した滑りを見せた。その後もジャンプの確認を行い、プーさんとともに笑顔で会場の奥へ消えていった。

 SPに向けて、順調な仕上がりを見せている。しかし、2週間前にグランプリ(GP)ファイナルを終え、18日に拠点のカナダから帰国したばかりで「練習どころじゃなかったです」と愚痴を漏らすほど。かなり疲労がたまっており、万全な状態とは言いがたい。

 そこで、今回は基礎点が1・1倍に上がる後半の構成を4回転―3回転トーループの連続ジャンプではなく、トリプルアクセルに変更予定。0・57点下がるが「ケガなくやりたい」と無理はせず、3月の世界選手権を見据えながら挑む。

 2016年はインフルエンザ、17、18年は右足首のケガで全日本選手権を欠場。4年ぶりに帰ってきた羽生は、18日の開会式で「居場所がなかったらどうしよう」と不安を口にしながらも、高橋大輔(33=関大KFSC)らと談笑。「懐かしい面々と話せて楽しかったです」と笑みを浮かべたが、本番では話が別だ。

「全員が敵だと思ってやりたい」。4連覇を果たした12~15年以来の頂点を目指す王者の戦いが間もなく始まる。