【フィギュアGPファイナル】紀平を襲った魔物 SPまさかの最下位発進

2019年12月07日 12時00分

連覇を狙う紀平だったが…(ロイター)

【イタリア・トリノ6日(日本時間7日)発】フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルの女子ショートプログラム(SP)が行われ、昨年覇者の紀平梨花(17=関大KFSC)はミスを連発し、なんと6人中最下位。浅田真央(29)も達成できなかったシニア1年目からの連覇は極めて厳しい状況になった。

 まさかの出遅れだ。紀平が「最強ロシア軍団」を抑えて連覇するには、SPで1点でも多くリードすることが条件。しかし、フタを開けると理想と正反対の現実が待っていた。

 真っ赤なSP用衣装に身を包んだ紀平は冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の着氷で乱れ、続く連続ジャンプの2本目で転倒。スピンでレベルを取りこぼすミスもあり、自己ベストを大幅に下回る70・71点の得点が出ると苦笑するしかなかった。

 試合後、紀平はミスについて「体が全然、動かなかった。昼の時点で緊張していて、その時の疲れが夜にきた。頑張ったが、なかなか脚が締まらない感覚があった」と自己分析。「対ロシア」「連覇」という2つのプレッシャーが襲う中、ルーティンの「昼寝」ができなかったことによる調整不足が原因となり、本来の姿とは程遠い内容となった。

 一方、紀平の連覇を阻むロシア勢は好調だ。今季シニアデビューした“三人娘”の一人、NHK杯覇者のアリョーナ・コストルナヤ(16)は3回転半ジャンプを含む全てのジャンプを華麗に決め、自身が持つSP世界最高点を更新する85・45点をマークして首位。「すべて予定通りにできてうれしい。氷に立つ時に点数のことは考えない。楽しむことができた」と充実しきっている。平昌五輪金メダルのアリーナ・ザギトワ(17)が79・60点で2位、アンナ・シェルバコワ(15)が78・27点で3位と続き、上位を独占した。

 スケートカナダ、ロシア杯を優勝した怪物ルーキーのアレクサンドラ・トルソワ(15=同)は初挑戦の3回転半ジャンプを失敗して71・45点の5位だったが、フリーは4種類の4回転を組み込む“異次元プログラム”を予定しており、大逆転の可能性を残している。

 窮地に立った紀平は「フリーで何とか巻き返したい」と語ったが、逆転Vは絶望的。自身初の4回転ジャンプ(サルコー)を成功させ、シーズン残りの戦いにつなげたいところだ。