【フィギュアNHK杯】紀平 大目標へ4回転より「ノーミス」

2019年11月22日 16時30分

浜田コーチ(右)からアドバイスを受ける紀平。4回転は回避か

 フィギュアスケート女子の紀平梨花(17=関大KFSC)が、グランプリ(GP)ファイナル(12月、イタリア)の2連覇を見据えている。GPシリーズ第6戦「NHK杯」(22日開幕、札幌市・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)の公式練習(21日)ではモラルハラスメント騒動の渦中にある浜田美栄コーチ(60)が異様な注目を集める中で、紀平はあくまで演技に集中。4回転ジャンプの精度のピークを「その先」に設定し、頂点をつかむ青写真を描く。

 シニア転向1年目の昨季、紀平はいきなりGPファイナルを制覇して世界を震撼させた。「2年目のジンクス」にならないために、是が非でも連覇を果たしたいところ。そんな思いが公式練習で垣間見えた。紀平はフリー冒頭の4回転ジャンプで転倒。何とか1本着氷させると、その後は生命線のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を次々に決めてみせた。

 今大会で4回転ジャンプ(サルコー)を成功させれば公式戦初となる。今季からシニアに転向し脅威の存在となったロシア勢に対抗するためにも、いち早くプログラムに組み入れたい。しかし紀平は「4回転サルコーは本番で入れるか確定ではないですが、会場の温度とか氷の感覚をしっかり確かめて決めたい」と慎重な姿勢だ。

 その上で今大会の戦略についてこう口にする。「トリプルアクセルは確実に3本決められるようにしたい。あとはレベルも取りこぼさないようにして、シーズンベストを出すことができたらファイナルにも出場できると思う。とにかく今回はノーミスを」

 紀平の大目標はGPファイナル2連覇。ただ、今大会で表彰台(3位以内)に立たなければ自力でのファイナル出場はかなわない。つまり、いつも以上にミスなくまとめることが重要。目先の4回転ジャンプ成功よりも、まずは次のステージに立つことを優先させるというわけだ。

 練習後、浜田コーチを直撃すると「(4回転は)やりたいですけどね」とジレンマを抱えつつ「練習では成功している。ファイナルでは“絶対に入れようね”って話しています」とにっこり。ジャンプの精度と確率を高めてピークにもっていく舞台は、あくまでGPファイナル。そこで最高の4回転を降りる――。ファイナル連覇へ向けたこのビジョンを達成するための“逆算”こそが、今大会のテーマということだ。