【世界国別対抗戦】紀平SP世界最高のウラで…会場スタッフにも気配りの手作りバレンタインチョコ

2019年04月12日 14時00分

華麗な演技を披露した紀平

 土壇場で「神」が降りた。フィギュアスケートの世界国別対抗戦(マリンメッセ福岡)が11日に開幕し、連覇を目指す日本は2位スタートとなった。この成績に大きく貢献したのは、紀平梨花(16=関大KFSC)だ。女子ショートプログラム(SP)でルール改正後の世界最高となる83・97点をマークし、自身の持つ記録を更新。SP1位に輝いた背景には、多方面への“神対応”があった。

 演技を終えた直後のガッツポーズ、笑顔、歓声…。この日は最も力強く盛大だった。無双状態だったフリーに比べて“鬼門”とされてきたSPで、冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)ではGOE(出来栄え点)が2・86となる加点を得た。紀平は「今までの試合で一番良かった」と話し、年頭に掲げた「ノーミス」「自己ベスト」の目標をクリアした。

 懸念材料だったスケート靴問題は土壇場の“神調整”で合わせた。オープニングセレモニーで違和感を覚え、新品の中敷きに交換。しかし6分間練習で転倒するなど「アレっていう感じ」。それでも辛抱強く最後まで原因を追究し、テープをきつく巻き直す処置を施して「最後の最後でギリギリセーフ!」と正解を出し、見事に世界最高得点へとつなげた。

“幸運”を呼び込んだのは普段の行いにあるのかもしれない。今年のバレンタインデー翌日の2月15日、練習拠点の関西大学たかつきアイスアリーナ(大阪・高槻市)で行われた公開練習に参加した紀平は、手作りチョコを会場スタッフ全員にプレゼント。アリーナの関係者だけではなく、広報担当の大学職員にまでチョコを贈ったという。

 紀平は四大陸選手権(米国)を制して同12日に帰国したばかりで、約1週間後にはチャレンジカップ(オランダ)を控える過密日程のさなか。しかも在籍するN高校の通信授業の課題にも取り組まなければならない中で、お世話になった人への感謝の気持ちを込めてチョコ作りに精を出した。実際に受け取った関係者は「時間がない中でもこうした心遣いができる本当に義理堅い女の子です」と目を細める。

 また、紀平はこれまで国内外の大会でファンからもらった手紙やプレゼントを全て写真撮影し、自身のSNSにアップ。もちろん感謝の意味を込めたものだが、個人情報が写真に写らないように気遣いも見せている。3月の世界選手権では「夜中の3時までプレゼントの写真を撮った」とのこと。本業同様に手を抜くことはない。

 シニアデビューした今季、いきなり数々の記録を打ち立てた。その裏でスタッフやファンへの“神対応”も怠らない紀平こそ、新時代の女王にふさわしい。