IOC“認定” 羽生の人気は神の領域

2019年04月01日 16時30分

世界選手権でも絶大な人気を証明した羽生

 もはや押しも押されもせぬ世界的スターだ。フィギュアスケート男子で五輪2連覇を果たし、先の世界選手権でも銀メダルを獲得した羽生結弦(24=ANA)の人気ぶりが“神”の領域に達している。かねて女性ファンからの支持が絶大だったが、先日発表されたアスリートイメージ評価調査で総合ランキング1位に輝き、海外からも「世界で最も人気がある選手」と認定された。そんな中で、氷上のプリンスは教育現場からも引っ張りダコのようで…。

 5年ぶりに日本で開催された世界選手権で、右足首の負傷から復帰した羽生は痛み止めを服用して出場し、2位に入った。優勝したネーサン・チェン(19=米国)をして「世界中のスケーターが彼を尊敬している。彼の後に演技できたのは非常に光栄」と言わしめるなど、その人気と存在感は圧倒的だった。

 右足関節外側靱帯損傷は完治には至っておらず、今後も2~3か月の加療が必要の見込みで、世界国別対抗戦(11~13日、マリンメッセ福岡)は欠場。だが来季も現役続行を宣言しており、新元号になってもプリンスの“伝説”は続いていく。

 平成は残り1か月を切り、様々な媒体で「平成の人気アスリート」なるアンケート企画が行われているが、現状では先日引退したマリナーズのイチロー外野手(45)と羽生が常にトップ争い。昨今はネット上でも「どちらがスーパースターか?」と熱い議論が交わされている。世界選手権の最中に発表された「好きなスポーツ選手」(笹川スポーツ財団調査)では羽生がトップ、イチローは3位。「アスリートイメージ評価調査」(博報堂DYメディアパートナーズ)でも総合ランキングで羽生が1位となり、2位のイチローに競り勝った。

 さらに国際オリンピック委員会(IOC)の専門テレビ「五輪チャンネル」の担当責任者は、世界で最も視聴者に人気がある選手として羽生の名を挙げ、その影響力はいまや世界トップクラス。羽生はイチローについて「世界のレジェンド。いろんな言葉に支えられた」と崇拝するが、人気面ではイチローを超えつつあるのが実情だ。

 そんなプリンスを教育現場も放っておくはずがない。先ごろ、文部科学省が来年4月から使用される全国の教科書を公表したが「道徳の教科書ではイチローさんより羽生選手のほうが多く登場しています」(文科省担当者)。道徳の教科書に限定するとイチローが3冊、羽生が6冊。特に羽生は道徳以外の教材にも採用されており、その需要はアスリートでもトップクラスだ。

「ふるさとにとどけ。希望の舞」というタイトルで小学4年生の道徳の教材に採用した廣済堂あかつき社の担当者は「羽生選手が郷土に恩返しする姿を通し、子供たちにも故郷への関わり方を考えるきっかけになってほしい」と理由を説明。今年度のものには間に合わなかったものの、来年4月からのものには「昨年の平昌五輪で金メダルを取った記述も加えました」と、新たな情報も盛り込んでいる。

 東日本大震災を経験し、自らもケガに悩まされながら不屈の精神で結果を残す。こんなお手本のようなサクセスストーリーが、教育現場で重宝されるのはうなずける。