【フィギュア世界選手権】羽生「暴れ回る炎」宣言!ライバルの宇野、チェンと平成最後の名勝負

2019年03月21日 11時00分

自信に満ちた表情を見せた羽生

 いきなりトップギアか。フィギュアスケートの世界選手権(20日開幕、さいたまスーパーアリーナ)の公式練習が19日に行われ、男子の五輪2大会連続金メダルで右足首の故障明けの羽生結弦(24=ANA)が軽快な滑りを披露した。昨年の平昌五輪に続く復活劇が期待される一方、ライバルになると見られる平昌五輪銀メダルの宇野昌磨(21=トヨタ自動車)が急成長。フィギュア界における平成最後の名勝負となりそうだ。

 午前中に行われたメインリンクでの練習、直後の記者会見、さらに夜に行われたサブリンクでの練習と、この日は昨年11月のGPシリーズ・ロシア杯以来、4か月ぶりの試合に臨む羽生が常に主役だった。

 大会の開幕前にもかかわらずメインリンクに詰め掛けたファンは3000人以上。さらにサブリンクにも600人のファンが集まり、羽生がジャンプを成功させるたびに大きな歓声を送った。

 日本代表の宇野、田中刑事(24=倉敷芸術科学大)とともに臨んだ会見では「大きな箱の中で光って暴れ回る炎になれている」と“羽生ワールド”を全開。ロシア杯の公式練習で負傷した右足首は完治していないものの「世界選手権に向けての状態としては100%」と3度目の優勝に意欲を見せた。

 この日、会場で羽生と言葉を交わしたというフィギュア解説者の杉田秀男氏(84)は「具体的に演技の話はしていませんが、すごく自信を持っているようでした。調整が間に合わなければ、(ブライアン)オーサー(コーチ)が止めるでしょうし、出てくる以上は仕上げてきていると思います」と話した。

 羽生は昨年の平昌五輪も右足首負傷から3か月ぶりの復帰戦だったが、見事に金メダルを獲得している。今回も期待は大きく、杉田氏は「本人にもプライドがある。戦えない状態では出てこない」と付け加えた。

 そんな羽生に立ちはだかるのが、平昌五輪銀メダルの宇野だ。宇野もまた昨年12月の全日本選手権で右足首を捻挫。2月の四大陸選手権には出場して優勝を果たしたものの、予定していた続くチャレンジカップ(オランダ)は欠場している。

 杉田氏は「(宇野が)足の心配はないと言っていた」と明かしたうえで「四大陸(選手権V)が自信になって、精神的にも強くなった」と高く評価している。これまで自分の納得いく演技にこだわり、勝ち負けには執着してこなかった宇野だが、今大会では「結果を求めて挑みたいと思っている」と口にしているのも、今季積み重ねてきた自信の表れだろう。

 もちろん、昨年覇者のネーサン・チェン(19=米国)も連覇を狙っている。「ポイントはショートプログラム(SP)。3つしかないジャンプでミスが出れば他の選手と大きく差がつく」(杉田氏)。21日のSPから激しい戦いとなるのは間違いない。三つどもえの優勝争いは、平成最後にして世界最高レベルの名勝負になる可能性が高いだけに、羽生といえどもいきなりトップギアに入れる必要がありそうだ。