【フィギュア】紀平は浅田真央+伊藤みどり 「最強女王」期待する声 

2018年12月11日 16時30分

エキシビションで華麗な演技を披露する紀平(AP= Canadian Press)

【カナダ・バンクーバー9日(日本時間10日)発】一夜明けても“キヒラフィーバー”は止まらない。フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルで初出場Vの快挙を成し遂げた紀平梨花(16=関大KFSC)は9日のエキシビションでも華麗な演技を披露。すでに風格すら漂うニューヒロインに対して、専門家からは早くも「歴代最強女王」を期待する声まで上がっている。

 驚異の身体能力と豊富な練習量に裏打ちされた演技にキュートな笑顔も相まって、世間は“キヒラフィーバー”に沸いている。日本のフィギュア女子といえば、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の先駆者で1992年アルベールビル五輪銀メダルの伊藤みどりさん(49)、2006年トリノ五輪金メダルで“イナバウアー”でおなじみの荒川静香(36)、10年バンクーバー五輪銀メダルで国民的ヒロインの浅田真央(28)らが「女王の系譜」をつないできたが、ここに名を刻む「素質」と「華」が紀平にはあるという。

 元国際審判員でフィギュア解説者の杉田秀男氏(83)は、伝説を残した女王2人の名を挙げて紀平の将来性を絶賛する。

「真央さんは出てくるだけで人を引きつける独特なオーラがあった。伊藤みどりさんは誰にもまねできない高くてパワーある強烈なジャンプを持っていた。紀平選手は2人を足して2で割った選手になる気がしますね」

 紀平の完成形が「(伊藤みどり+浅田真央)÷2」なら、まさに歴代最強女王になれるということ。実際、現在の紀平にはそうした可能性を見いだせるという。「怖いもの知らず、守りに入らない強さがある。(GPファイナルの)フリーで最初にミスしたのに、そこから先の演技が小さくならず堂々としていた。やればやるほど強くなり、今、スケートが楽しくてしょうがない感じ」

 その一方で、実際の滑りでも採点が成長度を物語っている。「彼女にはトリプルアクセルという最大の武器がある。それでいて5コンポーネンツの演技構成点も差がないんです。あの年齢で技術以外の部分でも着実に力をつけている」。GPファイナルでは平昌五輪金メダルで2位のアリーナ・ザギトワ(16=ロシア)に技術点で大差をつけたが、演技構成点でもほぼ互角。このバランス力も大きな魅力だ。

 紀平本人は周囲のフィーバーに浮かれることなく、22年北京五輪へ向けて本格的な4回転ジャンプの習得を掲げた上で「あと3年以上あるし、もっとプレッシャーのかかる中で、できるかどうかはまだ課題。そういうところは経験していないので」と冷静に自身を分析している。16歳とは思えない向上心の高さも、伊藤さんや真央級。伝説の女王の“いいとこ取り”となるのか。はるか先にある「完成形」は末恐ろしさを感じさせる。