日本スケート連盟の理事会は19日、都内で行われ、橋本聖子会長(54)が、フィギュアスケートのGPシリーズ第5戦ロシア杯で、右足首の靱帯を損傷しながら優勝した羽生結弦(23=ANA)に言及した。

 開口一番で「心配ですね。一度ああいうケガをしているからクセになっちゃっているのか…」と思案げに語ると、今後について「本人が一番いいような環境をつくることだと思います」と思いやった。

 試合終了後に松葉づえをつく悲愴な姿を見せた羽生は「3週間の安静」が必要とされており、GPファイナル(12月6日開幕、カナダ・バンクーバー)、全日本選手権(12月20日開幕、大阪)の出場が厳しい状況。特に後者は来年3月に日本で開催される世界選手権(3月、さいたまスーパーアリーナ)の選考を兼ねているだけに、出場の可否が注目される。

 同連盟の伊東秀仁フィギュア委員長(57)は「まだ全部の大会が終わっていないから何とも言えないが、基準に照らし合わせて強化部とフィギュア委員会で決定していく」と今後の見通しを説明。「世界選手権は日本でやるので目指してほしい」と願望を語った上で「本当に大事にしてほしい。無理はしないで、とにかくケガをしっかり治してほしいと思います」と回復を祈った。

 なお、世界選手権の代表入りには全日本選手権出場が必須だが、過去に世界選手権3位以内の実績がある選手がケガなどやむを得ない理由で欠場した場合は、選考されることがある。