【ロシア・モスクワ16日発】フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第5戦、16日夜(日本時間17日未明)に行われた女子SPは、平昌五輪金メダルのアリーナ・ザギトワ(16=ロシア)がルール改正後の自身の世界最高得点を更新する80・78点をマークして首位発進した。白岩優奈(16=関大KFSC)が60・35点で5位となり、松田悠良(20=中京大)が52・00点で8位。第2戦のスケートカナダで2位の山下真瑚(15=愛知・中京大中京高)は51・00点で9位と出遅れた。

 若き女王は完璧に滑りきっても、はじけるような笑顔を見せることはなかった。「まだ試合が半分終わっただけ」とコメント。それでも、他とは一線を画す圧巻の演技に、地元のファンの喝采が途切れることはなかった。

 冒頭のルッツ―ループの連続3回転ジャンプを力強く決めて勢いに乗ると、ダブルアクセル(2回転半ジャンプ)、3回転フリップもきれいに着氷。難易度の高いつなぎのステップも加点を引き出し、演技点の5項目ではすべて9点台で2位以下を大きく引き離した。

 現在の最大の「癒やし」となっている秋田犬の「マサル」と大会中は会えず「彼女がいなくて寂しい」と胸の内を明かす。それでも両親から送られてくるマサルの動画を見て心を和ませ、リンクに立てば演技に集中する。

「大事なのはクリーンなスケートをして魂を込めて滑ること」。ザギトワは17日のフリーでさらなる進化を見せつける。