【フィギュア・オータムC】羽生SP97・74点で復帰初戦首位も不完全燃焼

2018年09月22日 12時00分

【カナダ・オークビル21日(日本時間22日)発】フィギュアスケートの国際大会、オータムクラシック男子ショートプログラム(SP)が行われ、平昌五輪で2大会連続金メダルの偉業を成し遂げた羽生結弦(23=ANA)は97・74点で首位発進した。とはいえ、内容は低調で、ジャンプで着氷が乱れただけでなくスピンでもまさかのミス。総合力で何とかカバーしたものの、珍しく失望感を表に出し、不完全燃焼の復帰初戦となった。フリーは22日(同23日)に行われる。

 苦笑いとも怒りともとれる演技後の表情が全てを物語っていた。ファンの歓声に応えるしぐさもどこかぎこちない。昨季までの得点記録はリセットされたとはいえ、97・74点は世界歴代最高だった自己ベスト(112・72点)に遠く及ばないスコア。「久しぶりの試合で跳ぶ集中の仕方とか、ある意味での怖さを味わいながら滑っていた」と手探りの中での演技で満足感は得られなかった。

 得点も今季からジャンプの基礎点が大幅に下げられ、出来栄え点(GOE)の増減の幅が大きくなった新ルールのもとで迎える五輪以来の実戦。新プログラムのSP曲は、羽生の憧れの選手の一人だった元全米王者のジョニー・ウィアー氏(34)がかつてフリーで使用していた「秋によせて」。薄い青を基調とした衣装で新シーズンの第一歩を踏み出した。

 冒頭の4回転サルコーはきれいに着氷。だが、続くトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の着氷で腰が落ち気味になり、4回転―3回転トーループのコンビネーションでは4回転の着氷が詰まった。最後の足替えシットスピンでも太ももが氷面との平行になる姿勢が取れず、まさかの0点。試合勘の欠如と緊張感から加点を引き出すことはできず「結構、力を使い、若干集中力が切れてしまった。自分の演技には失望している」と珍しくネガティブな発言が口をついた。

 右足首の負傷が完全に癒えないまま臨んだ平昌五輪で66年ぶりの連覇を達成。その傷はほぼ完治したが、まだ違和感があるとして4回転フリップとルッツの練習は控えている。それでも今季は2つの「世界初」を目指し、モチベーションは落ちていない。

 一つは4回転アクセルの成功。もう一つは4回転トーループ―3回転アクセルの連続ジャンプの実戦投入。特に連続ジャンプについては前日の公式練習でも跳んでおり、完成度は日に日に高まっている。得点換算率が悪い(基礎点×0・8点)ため22日のフリーでプログラムに取り込むかは不透明だが、夢は広がるばかりだ。