【NBA】ラプターズ・渡辺 東京五輪は来季への「テスト」絶好のアピールの場に

2021年06月15日 14時00分

渡辺は東京五輪でも好プレーを見せられるか(ロイター=USA TODAY Sports)

【KJ松井のCatch&Shoot(70)】米プロバスケットボールNBAトロント・ラプターズの渡辺雄太(26)の今シーズンは、開幕の保証のない待遇から始まって、終盤にはレギュラー契約を勝ち取った。本紙バスケット評論のBリーグ・京都ハンナリーズ松井啓十郎(35)は渡辺について「着々とステップアップしている」と評価。来シーズンへ向けての「テスト」の意味合いを持つ東京五輪で好パフォーマンスを披露することを期待した。

 渡辺選手がキャンプに参加した時の契約は、開幕のメンバー入りの保証のない「エキシビット10」でした。この立場だと、開幕までに下部Gリーグと行き来する「ツーウエー契約」ができればいいというのが現実的な目標ですが、渡辺選手は「ツーウエー」を経て終盤には「レギュラー契約」を結ぶことができました。

 NBAでプレーする選手ともなれば、ある程度プレータイムを与えられれば活躍できるものですが、最初は出場時間を得ること自体が難しい。その中で渡辺選手はプレータイムも徐々に長くなり、4月のオーランド・マジック戦では21得点したこともありました。自分が得点しなくても持ち味の守備力で相手に得点させなかったり、チームメートを得点させて「アシスト」の数が増えていったりと、着々とステップアップしていったことがわかります。

 来シーズンに向けてはシュート力やボールハンドリングを磨けば、まだまだ伸びしろはあります。また、無事に開催されればという条件が付きますが、東京五輪でどれだけ活躍できるかも大事です。日本代表ではワシントン・ウィザーズの八村塁選手(23)と並ぶエースとして毎試合30分以上は出るでしょうし、相手のエース級と対峙することになります。

 五輪に出るチームのエース級は間違いなくトップレベルのNBA選手。控えから出ることが多いラプターズとは違う、チームの中心選手という役割を与えられて、どれだけのパフォーマンスができるかは、これ以上ない「テスト」です。ラプターズのニック・ナース監督(53)も、渡辺選手のことは来シーズンはある程度のプレー時間を与えるローテーションの一員として考えているはずです。

 要求されるレベルも高くなりますが、さらなる飛躍のために、監督の期待に応えるようなパフォーマンスを見せてほしいですね。

 ☆まつい・けいじゅうろう 1985年10月16日生まれ。東京都出身。バルセロナ五輪の「ドリームチーム」を見た父親の勧めで小学1年からバスケットを始め、イベントでマイケル・ジョーダンと1対1で対戦したことがある。高校から米国に渡り、コロンビア大学では日本人男子で初めてNCAA1部でプレー。卒業後は帰国し、昨季から京都に加入。来季からは富山グラウジーズへ移籍する。ニックネームの「KJ」は、米国で「けいじゅうろう」を覚えてもらいにくいために使い始めた。188センチ、83キロ。

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