【KJ松井のCatch&Shoot】14日シーズン最終戦 ウィザーズ・八村塁はルーキーイヤーをどう締める?

2020年08月12日 11時00分

再開後に苦闘を続ける八村(奥、ロイター=USA TODAY Sports)

 米プロバスケットボールNBAで八村塁(22)が所属するウィザーズはプレーオフ進出の可能性がなくなり、13日(日本時間14日)に行われるレギュラーシーズン最終戦のセルティックス戦で今シーズンを終える。再開後に苦闘を続ける八村は、ルーキーシーズンの締めくくりでどんなプレーをするべきか。さらにグリズリーズの渡辺雄太(25)についても本紙バスケット評論のBリーグ・京都ハンナリーズ松井啓十郎(34)が解説した。

 最近の八村選手のプレーを見ていると、無理やりシュートにいったり、チームメートが空いているのにパスをしない場面が目立っています。今のウィザーズはシステム上、八村選手にボールを回すようになっていますが、フリーでシュートを打てる状況の選手がいるにもかかわらず、タフなシュートを打って外すと「こっちにボールを回せ」と思われるようになってしまいます。

 それと、タフなシュートを打つと自分のリズムも悪くなる悪循環に陥ってしまいます。僕自身もシューターとして、試合での最初のシュートはなるべくオープンな状態で打つことを意識しています。それで決めれば「よし、次も」と思いますし、いい形で打てればたとえ短かったりしても「この感覚だと短いのか」と確認することができます。

 タフなシュートというのはリングに強く当たって大きくはね返ることもあるので、そのまま相手の速攻につながるケースもあります。チーム全体のいい流れの中でシュートを打つと、他の選手も「ここで、打つな」とわかるので、ガードの選手は守備に戻り、速攻をされにくくなります。さらに、大きい選手はシュートのタイミングに合わせてオフェンスリバウンドを狙うので、外れた場合でもボールを取れる可能性が高まります。

 タフなシュートを打つ際にやってはいけないのは、ファウルをもらいにいって審判にアピールすることです。NBAの選手は世界最高レベルの集まりですが、それは審判も同様です。ファウルをもらうのがうまい代表格はジェームズ・ハーデン(30=ロケッツ)ですが、それはファウルしないと止められないぐらいのスピードがあるから。このレベルまでいけば「スーパースター・コール」もありますが、ルーキーが必要以上にアピールすると審判への印象が悪くなってしまいます。

 今の八村選手は自分でシュートチャンスをつくって、アシストもしなければならない状況。プレーへの積極性は失ってほしくないので両方のバランスが難しいところですが、これもエースになるための過程と頑張ってほしいです。

 渡辺選手はベンチ入りもままならないタフな状況が続いていましたが、7日のサンダー戦ではようやく出場のチャンスが回ってきました。次のラプターズ戦(9日)は出ることができませんでしたが、今はNBAという世界で一番高いレベルでバスケットができて、さらにプレーオフに行けるかのプレッシャーの中で戦うという貴重な経験ができています。

 通常だと渡辺選手のようなツーウエー契約はプレーオフに出られませんし、今回もチームによっては帯同しません。もしかしたらオーランドでの集中開催に呼ばれず、日本に帰国してトレーニングとなっていたかもしれないのが、チームと行動できて練習も一緒にできる。

 さらにジャレン・ジャクソンJr.(20)がケガしたことでベンチに入れて試合にも出られた。チームメートのケガを喜んではいけませんが、さらに故障者が増えれば出場機会が増えるかもしれないという意味で、運は向いてきてます。そうやってチャンスをものにした選手もいます。ツーウエー契約は今季で切れるので、来季へのアピールのためにも巡ってきたチャンスは生かしたいですね。

 まつい・けいじゅうろう 1985年10月16日生まれ。東京都出身。バルセロナ五輪の「ドリームチーム」を見た父親の勧めで小学1年からバスケットを始め、イベントでマイケル・ジョーダンと1対1で対戦したことがある。高校から米国に渡り、コロンビア大学では日本人男子で初めてNCAA1部でプレー。卒業後は帰国し、今季から京都に加入。ニックネームの「KJ」は、米国で「けいじゅうろう」を覚えてもらいにくいために使い始めた。188センチ、83キロ。