【NBA】レギュラークラス不在で八村は大チャンス

2020年07月13日 14時00分

八村はエースのビール(右)が抜けた穴を埋められるか(ロイター=USA TODAY)

【KJ松井のCatch&Shoot(25)】米プロバスケットボールNBAは30日(日本時間31日)からのレギュラーシーズン再開へ向け、トレーニングキャンプが始まった。八村塁(22)が所属するワシントン・ウィザーズでは主力選手が再開後にプレーしないと発表。東地区9位からプレーオフ進出の8位以内に入る道のりは厳しくなってきたが、一方でドラフト指名権のためにはプレーオフに出ないほうがいい…との声も。これについて本紙バスケット評論のBリーグ・京都ハンナリーズ松井啓十郎(34)の見解は――。


 ウィザーズはエースのブラッドリー・ビール(27)と、控えのダービス・ベルタンス(27)が再開後プレーしないことになりました。チームのSNSなどでも八村選手にスポットライトが当てられて、本人も「積極的にやる」と話しています。

 レギュラークラス2人の不在は戦力的には厳しいですが、八村選手としてはその分、思い切ったことをいろいろできるチャンスだと思います。今まではエースのビールに使われるプレーが多かったのを、もっと自分でプレーメークしてもいいとなり、(再開後のレギュラーシーズン)8試合はいいチャレンジになるでしょう。

 その八村選手は中断期間に10ポンド(約4・5キロ)、体重を増やしたそうですが、これで実際にどれだけできるかを試せるいい機会でもあります。パワーアップしたことでリング周りや、相手に当たり負けしなくなった一方で、思ったより走れなくなっていたり、ケガのリスクから「ちょっと重すぎた」となるかもしれません。

 通常のスケジュールだとプレシーズンゲームで試してみて、「重すぎた」となると、開幕までの短い期間で修正しなければなりません。それが今回は最低でも8試合の公式戦で試すことができ、もし元の体重に戻したほうがいいとなっても秋の来シーズン開幕まで時間がかけられます。

 一方で来季に向けたドラフト指名権を考えるとプレーオフに進出しないほうがいい、という意見もあるようです(指名順の1~14位は、プレーオフに進出できなかったチームによる抽選で決定)。ですが、選手の立場からしたら「捨ててもいい」という試合はあり得ません。常に勝つ前提でやるはずです。

 8位マジックとの5・5ゲーム差は厳しい数字ですが、だからといってやる気のないようなプレーをしていたら自らの評価を落とします。NBAにいる時点で激しい競争を勝ち抜いてきたわけですし、厳しい状況でも光っていたと言われるようなプレーをするのがプロ意識です。

 それでプレーオフに進出できれば自分たちの“手柄”ですし、行けなかったらドラフトの上位指名権を得られるかもしれない。どっちの結果になっても悪くはない。そう考えてプレーするのがいいと思います。

 

 ☆まつい・けいじゅうろう 1985年10月16日生まれ。東京都出身。バルセロナ五輪の「ドリームチーム」を見た父親の勧めで小学1年からバスケットを始め、6年時にはイベントでマイケル・ジョーダンと1対1で対戦した。高校から米国に渡り、コロンビア大学では日本人男子で初めてNCAA1部でプレー。卒業後は帰国し、今季から京都に加入。ニックネームの「KJ」は、米国で「けいじゅうろう」を覚えてもらいにくいために使い始めた。188センチ、83キロ。