マイケル・ジョーダンの伝説的神プレー 記憶に残る91年ファイナル

2020年06月22日 16時40分

【KJ松井のCatch&Shoot(22)】米プロバスケットボールNBAは7月9日からフロリダ州オーランドに22チームが集まってキャンプインし、同30日から無観客での集中開催でレギュラーシーズンを再開する。本来なら6月中~下旬には年間王者を決めるファイナルが行われる予定だったが、新型コロナウイルス禍でシーズンは中断。そこで今回から本紙バスケット評論のBリーグ・京都ハンナリーズ松井啓十郎(34)が過去の名勝負を振り返る。最初に挙げたのは“神様”の伝説のプレーだ。

 NBAの6月は本来なら年間王者が決まる時期。30チームが82試合のレギュラーシーズンを戦い、上位16チームによるプレーオフを勝ち上がった2チームだけがプレーできるのが「ファイナル」。その中で僕が最も印象に残っているのがシカゴ・ブルズが4勝1敗でロサンゼルス・レイカーズを破って、マイケル・ジョーダンが初のNBA王者となった1991年のシリーズです。

 ジョーダンにとって初めてのファイナルの相手は、マジック・ジョンソンがいて絶頂期とも言えるレイカーズ。ホームでの初戦は2点リードしていた残り14秒でサム・パーキンスに3点シュートを決められ、逆転されてしまいます。残り7秒でジョーダンが打ったシュートは3度ぐらいリングにはじかれて外れ、最終的には2点差でブルズが敗れました。

 続く2戦目もホーム。ファイナルは4戦先勝(最大7戦)ですが、当時のフォーマットは2戦ホームでやると次は3戦アウェー(現在は2戦ずつお互いのホームで戦い、5戦目以降は毎試合ホームとアウェーが入れ替わる)なので、ホームで連敗すると逆転は相当厳しくなります。その試合の第4クオーター、残り8分を切ったところでジョーダンが見せたのが「THE MOVE」と呼ばれる伝説のプレーです。

 ゴール正面から右手一本でダンクにいこうとするのですが、相手選手がブロックに来ているのを見ると、ボールを空中で左手に持ち替えてレイアップ。右ヒジが伸び切った状態でジャンプしながら逆の手に持ち替えたこのプレー。ジャンプしている間に最初にやろうとしたのとは全く違うプレーをする、あそこまでの「ダブルクラッチ」はいまだに見たことがありません。それだけすごかったです。

 今ではネットで簡単に動画を探せますが、当時はビデオを買って、何度も見ました。それぐらい衝撃的なプレーで、一生懸命まねしようとしました。ただ、小学生なのでボールを片手でつかめないし、左手に持ち替えた時には着地してしまったものでした…。

 この伝説的なプレーもあってブルズは107―86で勝利。もしこの試合で負けていたらレイカーズには勝てなかったでしょうし、2度の3連覇など、その後のブルズやジョーダンの活躍はなかったかもしれません。

 NBAファイナルに何度も出て負けていないのはジョーダンだけだと記憶しています。しかも、そのすべてで7戦目までいかずに優勝を決めています。この記録も、やっぱり“神様”ですね。

【アーリー・エントリーの期限は8・17】NBAは12月開幕予定の2020~21年シーズンのドラフト(10月16日)に向けた「アーリー・エントリー」の届け出期限を8月17日に設定した。米スポーツ専門局「ESPN」(電子版)が伝えた。これは大学卒業を待たずにNBA入りを希望する選手が申請する必要があるもの。昨年はドラフト全体1位のザイオン・ウィリアムソン(デューク大1年→ペリカンズ)や、9位の八村塁(ゴンザガ大3年→ウィザーズ)がこのシステムを利用してNBA入りした。

 ☆まつい・けいじゅうろう 1985年10月16日生まれ。東京都出身。バルセロナ五輪の「ドリームチーム」を見た父親の勧めで小学1年からバスケットを始め、イベントでマイケル・ジョーダンと1対1で対戦したことがある。高校から米国に渡り、コロンビア大学では日本人男子で初めてNCAA1部でプレー。卒業後は帰国し、今季から京都に加入。ニックネームの「KJ」は、米国で「けいじゅうろう」を覚えてもらいにくいために使い始めた。188センチ、83キロ。