【NBA】7・31再開 22チーム開催決定に神の声あり!!

2020年06月08日 16時40分

現在もNBAに多大な影響力があるジョーダン氏(ロイター=USA TODAY Sports)

【KJ松井のCatch&Shoot(20)】米プロバスケットボールNBAが先週、新型コロナウイルス禍で3月から中断していたレギュラーシーズンを7月31日から再開することを決定した。第7戦まで行われれば10月12日に終了するファイナルを含めたすべての試合は無観客で、フロリダ州で集中開催される。ただし「神の声」に基づいて、試合をするのは全30チーム中の22チームになったという。どういうことなのか、本紙バスケット評論のBリーグ・京都ハンナリーズ松井啓十郎(34)が解説する。 

 NBAのシーズン再開が決まりました。フロリダ州オーランドに全チームを集めての集中開催で、プレーするのが22チームというのはマイケル・ジョーダンの意見だったのですね。NBAは全部で30チームですが、シャーロット・ホーネッツのオーナーでもあるジョーダンは4日に行われた理事会で「選手の安全が第一。30チームだと、それだけ人が増えて感染のリスクが高くなる」と言ったそうです。

 NBAチームのオーナーともなれば、それなりに成功している人ばかりですが、どうしても「選手目線」よりも「ビジネス目線」になります。無観客でも試合をやれば、再開を待ち望んでいたファンがグッズを買ったり、放映権料といった収入が見込めます。

 ですが、移動と多くの人が集まる感染リスクに加えて、プレーオフ進出の可能性がないチームは選手のモチベーションも上がりません。4か月半に及んだ中断に加えて気持ちが乗らない状態でのプレーでケガをしてしまったら、来シーズンの契約に影響を及ぼす可能性もあります。感染とケガのダブルのリスクに選手をさらすわけにはいかない。

 いきなり東西各地区8位までの16チームによるプレーオフからという案もありましたが、これではプレーオフ進出の可能性を残していたチームは不満です。そこで8位から「6ゲーム差以内」のボーダーラインで全22チームとなったわけですが、ホーネッツはぎりぎりで入ることができませんでした。

 それでも総合的に「選手第一」で考えるのは、さすがです。これがジョーダンではなかったら元選手であっても、他のオーナーたちは聞く耳を持たなかったかもしれません。また、ジョーダンがいなかったら、ビジネス優先での再開プランになって、選手からすると説得力のないものになっていたかもしれません。どのようにシーズンを再開するのかは非常に難しい判断だったと思います。ただ「やる」「やらない」のどちらの決定でも、ジョーダンが言ったことなら…と選手は従ったでしょう。

 このコラムで本人が履いたシューズに6000万円の値段が付いたり、高校や大学の選手は恐れ多くて23番をつけたがらないというテーマでお話ししましたが、リーグをどう再開させるかとの重大事にも影響を及ぼすのは、さすが「神様」ですね。

 ☆まつい・けいじゅうろう 1985年10月16日生まれ。東京都出身。バルセロナ五輪の「ドリームチーム」を見た父親の勧めで小学1年からバスケットを始め、イベントでマイケル・ジョーダンと1対1で対戦したことがある。高校から米国に渡り、コロンビア大学では日本人男子で初めてNCAA1部でプレー。卒業後は帰国し、今季から京都に加入。ニックネームの「KJ」は、米国で「けいじゅうろう」を覚えてもらいにくいために使い始めた。188センチ、83キロ。