【バスケットボール】五輪延期は日本代表に間違いなくプラス

2020年04月07日 11時00分

八村と渡辺(右)は来年、確実に成長を遂げているという

【KJ松井のCatch&Shoot(12)】バスケットボール男子の日本代表は、東京五輪で1976年モントリオール五輪以来の出場を果たすはずだった。ところが、大舞台の1年延期が決定。45年ぶりの五輪出場となる日本代表にどう影響するのか。本紙バスケット評論でBリーグ・京都ハンナリーズ、松井啓十郎(34)の分析は――。

「NBAの選手たちが出場できる」という前提での話となりますが、東京五輪が1年延期となったことは日本代表にとって有利に働くと思います。

 日本の中心は何といっても米国でプレーする八村塁(22=ウィザーズ)、渡辺雄太(25=グリズリーズ)と馬場雄大(24=Gリーグ・レジェンズ)の3人です。八村選手の活躍はいまさら説明するまでもありませんが、2年目となる来シーズンは移動や試合数の多さにも慣れることで、さらにプレーのレベルが上がることが期待できます。

 ケガで離脱した期間を除くとすべての試合でスタメン出場。復帰した後もパフォーマンスが落ちていないことを証明した上で「ライジング・スターズ」(NBA入り2年目以内の選手によるオールスター戦)にも選ばれました。来季のウィザーズは、より八村選手の持ち味を生かせるチームづくりをするでしょう。このことも、スキルをより高めることにつながります。

 渡辺選手はグリズリーズとのツーウエー契約が今季までなので、ぜひとも来季の契約を勝ち取ってほしいですね。どこのチームであっても引き続き米国でプレーできるようになれば、より強い気持ちでプレーしてくれるはずです。

 馬場選手は今季、最初は遠慮がちにプレーしていましたが、徐々にパフォーマンスが良くなってきました。「俺はできる」という気持ちで臨む来シーズンはさらに高いレベルでのプレーが期待できますし、Gリーグ(NBA下部)のトップ選手とは五輪でマッチアップする可能性もあります。その時に「普段からやっている相手」とビビらずにプレーできるのは大きいことだと思います。

 また、Bリーグでは来シーズンから「アジア枠」ができて、現在はコート上の5人のうち2人まで認められている外国人選手に加えてもう1人、アジア枠(中国、韓国、台湾、フィリピン、インドネシア)の選手が出場することが可能になります。これにより日本人選手の競争が激しくなることで、レベルアップにつながるでしょう。

 さらに代表で1人だけ認められる帰化選手も、去年のW杯ではファジーカス・ニック選手(34=川崎)がメンバー入りしましたが、今年2月のアジア杯予選ではライアン・ロシター選手(30=宇都宮)がメンバー入り。さらにギャビン・エドワーズ選手(32=千葉)も今年日本国籍を取得しました。この中で誰を選ぶのがベストか。今年の夏では時間があまりありませんでしたが、来年のシーズン終了後に八村選手たちと実際に一緒にプレーした上でベストの選択ができることは、代表にとって間違いなくプラスになります。

 バスケットだけでなく、すべてのスポーツが安心してできる状況が戻ってくれることを願うばかりです。

 ☆まつい・けいじゅうろう 1985年10月16日生まれ。東京都出身。バルセロナ五輪の「ドリームチーム」を見た父親の勧めで小学1年からバスケットを始め、6年時にはイベントでマイケル・ジョーダンと1対1で対戦した。高校から米国に渡り、コロンビア大学では日本人男子で初めてNCAA1部でプレー。卒業後は帰国し、今季から京都に加入。ニックネームの「KJ」は、米国で「けいじゅうろう」を覚えてもらいにくいために使い始めた。188センチ、83キロ。