【バスケット】アジア杯・台湾戦圧勝の裏にロシターの多彩プレー 八村はアデトクンボと互角

2020年02月28日 11時00分

アデトクンボ(34)との競り合いでも八村(右)は一歩も引かなかった(ロイター=USA TODAY Sports)

【KJ松井のCatch&Shoot(6)】男子バスケットボール日本代表の2020年初戦となったアジア杯予選の台湾戦(24日)で日本は96―57で快勝した。昨年帰化してから初の代表入りとなったロシター・ライアン(30=宇都宮)は17得点、19リバウンドを記録し、本紙バスケット評論のBリーグ京都ハンナリーズ、松井啓十郎(34)は絶賛。驚異の新戦力は日本代表の何を変えたのか。今後の代表入りに向けて、KJの診断は――。

 台湾戦での日本代表は序盤からリード。第2クオーター(Q)に少しもたついたものの、ハーフタイムできっちり立て直し、第3Qを24―6として試合を決め、約40点差をつけて勝ったのは大きなアピールになったと思います。

 ロシター選手が入ったことで守備から攻撃への切り替えがスムーズになり、速くなりました。富樫(勇樹=26、千葉)選手が「ポイントガード(PG)が2人いるみたい」と表現しましたが、身長206センチのロシター選手がリバウンドを取って自分でボールを運ぶ場面が何度も見られました。

 NBAウィザーズの八村(塁)選手(22)もよくやるこのプレーによって、ボールを一度PGに渡す必要がなくなると2~3秒節約できます。たかが2~3秒と思うかもしれませんが、バスケットはボールを保持してから24秒以内にシュートを打たなければなりませんから、このわずかな時間でもプレーのリズムが全然違ってきます。相手からすると、こういう選手がいれば「PGを抑えればリズムを崩すことができる」という戦術が取れなくなるので、存在価値は大きいですね。

 またピック&ロール(攻撃時、ボールを持っている選手を守っている選手に対して攻撃側の選手が壁=スクリーン、となって進路を妨げ、ここから展開するプレー)の際に、スクリーンしてからの動きが速くて選択肢が多いのもロシター選手の強みです。

 ここでシュートが打てないとプレーが“詰まって”しまうことがありますが、パスをさばいてすぐに次に展開できるので、ここでもチーム全体のプレーが速くなります。

 代表チームで帰化選手は1人しか認められません。昨夏のW杯ではファジーカス・ニック選手(34=川崎)がメンバーに入りましたが、今年に入ってからはギャビン・エドワーズ選手(32=千葉)も日本国籍を取得しました。東京五輪で誰が選ばれるかは、直前のテストマッチを経て判断することになるのだと思います。

 八村選手のウィザーズは24日(日本時間25日)に、NBA30チームで現在最高勝率のバックスと対戦。延長の末に134―137で敗れました。

 今季最長の46分6秒出場した八村選手は同点だった第4Qの終了直前にゴール下のシュートをブロックされる場面がありましたが、あれはもうちょっと考えてプレーしてほしかったですね。それでも延長で3点シュートを決める強気の姿勢は評価できます。

 試合ではヤニス・アデトクンボ(25)とマッチアップする場面もありました。次代のNBAの顔ともいえるスーパースターと対峙したことで得たものは大きいはずです。

 ☆まつい・けいじゅうろう 1985年10月16日、東京都出身。バルセロナ五輪の「ドリームチーム」を見た父親の勧めで小学1年からバスケットを始め、6年時にはイベントでマイケル・ジョーダンと1対1で対戦した。高校から米国に渡り、コロンビア大学では日本人男子で初めてNCAA1部でプレー。卒業後は帰国し、今季から京都に加入。3点シュート成功率は現在日本人でトップ。ニックネームの「KJ」は、米国で「けいじゅうろう」を覚えてもらいにくいために使い始めた。188センチ、83キロ。