【NBA】八村VSザイオン 日本時間15日ライジングスター戦 

2020年02月14日 11時00分

ケガから完全復活した八村(ロイター=USA TODAY Sports)

【KJ松井のCatch&Shoot】米プロバスケットボールNBAは14日(日本時間15日)に、加入2年目までの若手による米国選抜と世界選抜が対戦する「ライジング・スターズ」(シカゴ)が開催される。世界選抜でメンバー入りしたウィザーズの八村塁(22)は11日(同12日)のブルズ戦で20得点の活躍を見せて勝利に貢献。本紙バスケット評論でBリーグ京都ハンナリーズの松井啓十郎(34)は今回、八村の現状とライジングスター戦で注目のスーパールーキー2人を紹介します。 

 鼠径部の負傷から復帰して4戦連続スタメンとなった八村選手は、ブルズ戦では31分48秒の出場で20得点。復帰後に最も長い出場時間で、得点も最多でした(チームも126―114で勝利)。9日(日本時間10日)に渡辺(雄太)選手(25)が所属するグリズリーズと対戦して12得点、11リバウンドの「ダブル・ダブル」を達成したのを上回るプレーを見ると、20試合超休んでいたことを感じさせません。特にミドルレンジ(中距離)のシュートはフリースローと同じぐらいの感覚で「外れるはずがない」というぐらいの自信を持っているように見えます。NBAはルーキーだけのスタッツ(部門別ランキング)を集計していますが、八村選手は平均得点で3位、リバウンドでは1位となっています。ドラフトでの順位は9位でしたから、単純に考えると八村選手よりも上の評価を受けていた選手が8人いたということになります。

 チーム事情による出場時間もありますが、ドラフトでの指名順位を逆転する結果を残しているのは素晴らしいことです。まだ復帰して4試合ですから、この先調子を落とすことは考えにくく、これからさらに上げていくはずです。ライジングスター戦では、米国出身者以外による「世界選抜」に選ばれました。全米のみならず世界中が注目する試合です。ドラフト1位だったペリカンズのザイオン・ウィリアムソン(19)とマッチアップしたら、真剣勝負の公式戦とはひと味違う舞台でどんな対決をするのか、注目されるところです。

 ザイオンのNBAデビューとなった1月22日のスパーズ戦は本当に衝撃的でした。22得点のうち17点を第4クオーターの3分半ほどで挙げました。ヒザを手術したことを考慮して終盤はベンチに下がりましたが、スリーポイントを4本すべて成功させるなどして15点差を1点差まで追い上げたことから「勝たせる自信があるから、このまま試合に出させてくれ」と直訴したそうです。

 2日後の2戦目ではブロックショットでボールを観客席の4列目ぐらいまで飛ばしました。このワンプレーを見ただけでもお客さんは「来て良かった」となるはず。こうした、一つのプレーでお客さんに「見に来て良かった」と思わせることは、まさに「スーパースターになる選手」。故障でデビューが3か月も遅れたわけですから「100%のザイオン」をまだ誰も見ていません。これからのペリカンズはザイオン中心のチームづくりをしていくでしょうから、成長とともにどんなプレーを見せてくれるのか楽しみです。

 ドラフトでザイオンに次ぐ1巡目の2位で指名されたのが、グリズリーズのジャ・モラント(20)です。類いまれなバスケットセンスで「オーソドックスなところにパスをしない」トリッキーなプレースタイルが特徴です。1月17日のキャバリアーズ戦では、ノーチャージエリアの少し外からダンクに行くと思わせて、ブロックに来た相手選手の動きを冷静に見ながら空中でほぼ360度回転してゴール下の味方にパス。190センチで79キロと細身ですが、フィジカルの強さとスピードで印象に残るプレーをしてくれます。

 ウィザーズ戦では得点とリバウンド、アシストのすべてで2桁を記録する「トリプルダブル」。203センチの八村選手に体をぶつけるようにしてシュートを決めていました。このプレーには「ルーキー同士の争いには負けない」という気持ちが込められていると思います。それだけにライジングスター戦でどういうアピールをしてくるのかが注目です。

 ☆まつい・けいじゅうろう 1985年10月16日、東京都出身。バルセロナ五輪の「ドリームチーム」を見た父親の勧めで小学1年からバスケットを始め、6年時にはイベントでマイケル・ジョーダンと1対1で対戦した。高校から米国に渡り、コロンビア大学では日本人男子で初めてNCAA1部でプレー。卒業後は帰国し、今季から京都に加入。3点シュート成功率は現在日本人でトップ。ニックネームの「KJ」は、米国で「けいじゅうろう」を覚えてもらいにくいため使い始めた。188センチ、83キロ。