【NBA】八村 バスケIQの高さを証明

2019年12月14日 16時30分

 米プロバスケットボールNBAワシントン・ウィザーズの八村塁(21)の存在感が際立っている。ケガ人が続出のチーム事情もあるが、12月に入ってからは1試合平均で40分近いプレータイムを記録し、出場時間が大幅増。本紙バスケット解説を務めるBリーグ京都ハンナリーズの「KJ」こと松井啓十郎(34)はその中身を高く評価し、ある「動き」に着目した。八村を取り巻く現状と、そのプレーの効果に迫った。

 ケガ人が相次いでいるウィザーズは特にセンターが手薄になり、八村がこのポジションに入るシーンも目立つ。

 リバウンドを取るのが最大の役目でもあるセンターは通常、5人の中で最も背が高い選手が務める。NBAには7フィート(213センチ)級がゴロゴロいる中、203センチで104キロと身長も体重もこのポジションでは“小柄”の部類に入ってしまう八村の奮闘について、松井は「センターとしては大きくない中で、リバウンドを取ってからトランジション(攻守の切り替え)が速いプレーができている」とみている。

 攻撃ではパスをタイミング良く受けて、ダンクするシーンも目立つようになってきた。

 味方の選手がゴールに向かってドリブルで切れ込むと、八村をマークする選手もシュートを簡単には打たせないように警戒する動きをするので、八村との距離が若干離れることも多くなる。その時に「相手がボールを気にして視野が狭くなって塁から目線を切った隙に、裏をつくように中に切れ込んでボールをもらってシュートを打つことが多くなった」(松井)。これが、中に切れ込む「カッティング」というプレーで、松井も高く評価している。

 本来ならばアウトサイドでボールをもらい、フリーの状況で3点シュートを打った方が確率は高いので、こちらのプレーを選択するのがスタンダードだ。それをしない理由について松井は「自分が3点シュートは得意じゃないと知っている上でやっているのだと思います」と分析する。

 八村の今季の3点シュート成功率は20%にとどまり、自分の現状を冷静に捉えて最近では3点シュートを打つ回数そのものも減っている。

 バスケットはより確率の高いシュートをいかに打つか瞬間で判断する必要がある。ルーキーが確率の悪いプレーを繰り返せば、チームメートや指揮官の信頼を失い、最悪の場合は試合で使ってもらえなくなる。

 そこでより確率の高い「カッティング」の機会が増えているわけだが、「中に入るタイミングを誤ると味方の邪魔をしてしまいます。味方がどういうコースでドライブしてきて、自分を見ているのかをコンマ何秒で判断して適切に動く必要のある、IQの高いプレーです」(松井)。

 このプレーを選択し、決めているのは、もともとの能力の高さと、場面ごとの判断力に優れているからに他ならない。そのことはスタメンで出続けていることと、プレー時間の長さが証明している。

 14日(日本時間15日)には渡辺雄太(25)が所属するメンフィス・グリズリーズと対戦する。NBA公式戦初の日本人対決が実現するかが注目されるところだ。

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