【NBA】八村にスーパースターへの壁

2019年11月28日 16時30分

ルーキーイヤーとしては上々のスタートを切っている八村だが(ロイター=USA TODAY Sports)

 注目新人の“壁”とは――。米プロバスケットボールNBAが開幕して1か月、ワシントン・ウィザーズの八村塁(21)が奮闘を続けている。ここまで15試合すべてにスタメンで出場したが、日本人初のドラフト1巡目指名(全体9位)ルーキーの評価はどれほどのものなのか。本紙バスケット解説を務めるBリーグ京都ハンナリーズの「KJ」こと松井啓十郎(34)は「85~90点」と採点した上で、今後につながる課題を掲げた。

 八村は10月23日の開幕戦(対マーベリックス)に24分51秒の出場で14得点したのを皮切りに、4戦連続で2桁得点をマーク。26日のナゲッツ戦まで、平均12・5得点を挙げている。

 この活躍に松井は「85~90点と評価していいのではないでしょうか」と高く評価した。ここまでのプレーぶりについては「ディフェンスリバウンドが取れているし、スチールもできるからディフェンスは悪くない。さらにボールを取ってからのトランジション(攻守の素早い切り替え)もできている」と幅広いプレーを見せているという。

 その一方で22日のホーネッツ戦から3試合では勝負どころの最終第4クオーターで出番がなかった。その理由を松井は「外からのショートの安定性だと思います」とずばり指摘した。開幕からの活躍によって相手チームからのマークも厳しくなって当然、簡単なシュートは打てなくなってきている。その結果として比較的長い距離のシュートを打つことになるが、八村はここまで3点シュートを6本しか決められていない。

 この精度を高めるとともに「今はブラッドリー・ビールやアイザイア・トーマスのガード陣にチャンスをつくってもらって得点するというパターンが多いですけど、2人の負担を減らしてこの得点チャンスを自分でつくれるように。相手との1対1で点が取れるようになってほしい。あとはリング下でのシュートをブロックされやすいので、ここでうまく反則をもらうようなプレーができるようになってほしいですね」(松井)。

 現在はこうしたテクニックを身につけるまでの“壁”にブチ当たっているとも言える状況だ。勝負どころで出番がないということは「もしチームが目先の結果を求めるなら、スタメンを外されてもおかしくない」。それでもスタメンで起用され続けている。「チームから期待されている証し。この課題をどうやってクリアしていくかを見るのも楽しいと思います」

 スタメンで出続けることによって一緒にプレーする味方も対峙する相手も、レギュラークラスとなる時間が多いだけに「成長のスピードが全然違うはずです」。期待のルーキーはこの“壁”を乗り越えることによって、さらに次のステップに上がれることになる。

 29日(日本時間30日)にはレブロン・ジェームズ(34)とアンソニー・デービス(26)のスーパースター2人を擁し、今季ここまで15勝2敗と絶好調のレイカーズ戦も控える。オールスター級選手を相手に、八村は課題を克服できるのか。さらなる注目が集まりそうだ。