【バスケット】八村塁の凱旋会見に協会幹部不在の理由

2019年07月23日 16時30分

八村の会見には約200人の報道陣が集まったが、日本協会幹部の姿はなかった

 米プロバスケットボールNBA、ワシントン・ウィザーズの八村塁(21)が22日、日清食品ホールディングスとのグローバルスポンサー契約会見に出席した。先月20日のドラフトで日本人初の1巡目指名を受けた後、国内では初の公式の場となり、当然のことながら会見での話題はW杯(8月31日開幕、中国)や来年の東京五輪に集中。いわば“凱旋会見”となったが、会見場にはなぜか日本バスケットボール協会幹部の姿はなし。これには深~い理由があった。

 いまや日本でトップクラスの注目を集めるアスリートでもある八村が、NBA入り後に初めて国内で会見するとあって会見場には約100媒体、約200人の報道陣が駆けつけた。

 会見では高校時代に「ご飯を食べても夜おなかがすくと、よくカップヌードルを食べてました」とのエピソードを明かしたり、自身初のCMがお披露目されると「(撮影は)楽しかったし、実際に見てカッコいいと思った」などと話した。

 この日はあくまで日清食品との契約会見だったが、同社からの開催案内にも「米・プロバスケットボールチーム入団後、日本初となる記者発表会」と明記されていた。当然ながら話題は約1か月後に迫ったW杯や、10月に開幕するNBAのレギュラーシーズン、さらには来年の東京五輪などが中心になった。

 八村は一つひとつの質問に「W杯は皆が活躍すれば、どのチームにも勝つチャンスはあると思う。年下だけどリーダーシップを発揮したい」「NBA1年目は、チームがプレーオフに出ることが目標」「東京五輪は昔からの夢だったので楽しみ」と丁寧に答える様子は、さながら凱旋会見だ。

 ところが会見場には三屋裕子会長(60)をはじめとする日本協会幹部の姿はなかった。本来なら壇上で肩を並べて、日本初のNBAドラフト1巡目指名の快挙を祝福しても良さそうな状況だが、それがなかった裏にはこんな理由がある。

 NBAのルールでは、五輪やW杯に向けた各国の代表チーム(協会)は選手を28日間までしか拘束できない。W杯の開幕は8月31日。日本代表はすでに合宿を開始しているが、八村と、グリズリーズとツーウエー契約を結ぶ渡辺雄太(24)のNBA組は、この「28日ルール」があることでまだ合流していない。

 日本代表スタッフは「28日間」を最大限活用するために、いつから2人を代表に合流させるか慎重に検討中だ。一方でこの日のようなスポンサー企業の会見でも協会幹部が顔を並べると「代表活動の一環」とみなされ、貴重な28日間のうちの1日としてカウントされる可能性がある。こうした事情があって、あえて晴れの場に姿を見せなかった…というわけだ。

 すべてはW杯で最高のパフォーマンスを披露してもらうための配慮。その前に来月12日の強化試合ニュージーランド戦(千葉ポートアリーナ)でどんなプレーを見せてくれるのか。もちろん、これは「28日間」に含まれるだけに、本領発揮といきたいところだ。