カリー“八村はNBA向き”発言の真意

2019年06月24日 17時00分

 米プロバスケットボールNBAのドラフト(20日)でワシントン・ウィザーズから1巡目指名(全体9位)を受けた八村塁(21=ゴンザガ大)が23日、NBAトップクラスの年俸40億円超を稼ぐスーパースター、ステフィン・カリー(31=ウォリアーズ)から最大級の賛辞を贈られた。カリーは「バスケットIQが高いし、楽しみにしている」と八村を評価した一方で「NBAの向かっている『方向性』に合っている」とも指摘。この発言の意味は――。

 カリーは23日、都内でスポンサーのアンダーアーマーと楽天、自身が共同で開催する国内の高校生30人を対象にしたキャンプ「UNDERRATED」(過小評価)を実施。「評価されないときも自分を信じ続けることが大事。バスケットを楽しめば乗り越えられる」とエールを送った。

 話題は当然、日本人として初めてNBAドラフトで1巡目指名された八村にも向けられ「世界中の選手が集まって競うのは、NBAにとってもエキサイティングなこと。彼のことを追いかける選手が出てくるだろうから、その先駆者になる」と期待を込めた。

 さらに「(八村は)NBAの向かっている方向性に合っている」という。「方向性」とはNBAの多国籍化が進んでいることだ。

 現代のNBAを代表するスターといえば、ほかならぬカリー自身。その武器は何といっても成功数が歴代3位を誇る3点シュートで、チームが今季で5年連続のファイナルに進出したことは史上2番目に長い記録だ。その前のスターはもちろん“神様”マイケル・ジョーダン氏(56)。超越した個人技でチームを勝利に導くスタイルは、バスケ界を飛び越えてスポーツ界を代表するカリスマ的存在となった。それ以前は、身長7フィート(約213センチ)を超えるような大型選手がゴール下を支配していたが、歴代のスターはほぼ米国人だった。

 それが今後の中心となりそうなのは、ギリシャ出身のヤニス・アデトクンボ(24=バックス)、カメルーン出身のジョエル・エンビード(25=76ers)とパスカル・シアカム(25=ラプターズ)といった、幅広いプレースタイルをこなす“非米国人”たちだ。こうしたグローバル化の流れが進むNBAに、ベナン人の父と日本人の母を持つ八村が加わることで、今後の象徴的な存在になり得る…と、カリーは高く評価しているということだ。

 八村のNBAデビューは早ければ来月6日(日本時間7日)のサマーリーグ。この日は同一会場で次にウォリアーズ戦が予定されており、場合によってはカリーの“御前試合”となる可能性もある。期待に応えるプレーを披露したいところだ。