バスケ“買春4兄弟”のとてつもない代償

2018年08月22日 11時00分

会見に臨んだ(左から)永吉、橋本、三屋会長、東野技術委員長、佐藤、今村

 スポーツ界で不祥事の連鎖が止まらない。日本バスケットボール協会は20日、都内でジャカルタ・アジア大会に出場していた男子日本代表選手4人の買春行為について緊急会見を行い、4人は三屋裕子会長(60)と東野智弥技術委員長(47)とともに出席し“さらし者”として謝罪の言葉を繰り返した。アメフット、アマチュアボクシングなどに続き、またしてもスポーツ界のスキャンダル発覚となったが、バスケ界にとって不祥事の影響は他の競技の比ではない。買春騒動のとてつもない“代償”とは――。

 バスケ界はおろか、日本のスポーツ界を揺るがす不祥事をやらかしたのは、Bリーガーである橋本拓哉(23=大阪)、今村佳太(22=新潟)、佐藤卓磨(23=滋賀)、永吉佑也(27=京都)の4人だった。

「JAPAN」のロゴが入った公式ウエアを着用した4人は16日深夜、ジャカルタ市内での食事後に繁華街で4、5人の現地女性に買春を持ち掛けられ、金銭交渉を行った。120万ルピア(約9000円)で交渉成立し、ホテルで行為に及んだ。その後、選手村に戻ったという。永吉は「はい、そうです」と4人の買春行為を認めた上で「自分たちの認識の甘さが出たと反省しております」と、ひたすら頭を下げた。

 日本選手団の山下泰裕団長(61)はこの日、ジャカルタで会見し「大変なご迷惑をかけた。期待を裏切ってしまって申し訳ない」と謝罪。4人を事実上の選手団追放処分とした。また都内で会見した三屋会長は「軽率で思慮に欠けた行動で多くの皆さまに多大なご迷惑をおかけしたことを心からおわび申し上げます」と語り「日の丸を胸に戦いに臨んだ選手のする行動ではない。本当に情けない。恥ずかしい。自覚のなさに涙が出るくらい」と4人を断罪した。

 処分については第三者の弁護士3人で構成される裁定委員会の答申を受けてバスケ協会の理事会で決定するが、4人の処分が決まれば済む話ではない。スポーツ選手に「買春行為」はあまりにイメージが悪すぎて、波紋の大きさが計り知れないからだ。

 まずは確定していない2020年東京五輪の開催国枠への影響だ。日本バスケ協会は国内男子リーグの分裂状態が続いたことなどで、国際連盟(FIBA)から資格停止処分を科され、日本代表は一時、国際舞台から締め出された。日本協会は16年に統一リーグの「Bリーグ」を誕生させて五輪開催枠での出場へ道筋をつくってきたが、三屋会長は「すでにFIBAには一報を入れている。すべてがアピールの場だったが、それを一つ失った。どういう形で尾を引くのか」と懸念する。前代未聞の不祥事が、FIBAの心証を悪くしたのは間違いないだろう。

 さらには4人がプレーするBリーグへの影響は避けられない。すでに2シーズンを終え、新シーズン開幕を10月に控えるが、Bリーグ関係者は「リーグのイメージダウンになるのは間違いない。ファン離れにつながる可能性もあるし、スポンサー関係にも影響が出るかもしれない」と表情を曇らせた。女性ファンを集客の核にしているチームもあり、この手の不祥事はあまりにも痛すぎる。スポンサーやファン離れにつながれば、現在の規模でのBリーグ存続に暗い影を落とす可能性も否定できない。

 これらの悪影響を最小限にとどめたいからこそ協会サイドは、“強制送還”直後に4人をすぐさま会見へ出席させ、どんな質問にも謝るしかない“さらし者”としたようだ。三屋会長は「登壇しなかったら、いろいろなところで追われてバスケに専念できない」と親心を強調したが、速やかな“謝り倒し会見”がどこまで世間に通じるのか? 今後の展開が見通せないのも確かだ。