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高1史上最速男 148キロの呪縛「どうしても150キロ投げたい」


現在は群馬でプレーしている伊藤拓郎

【気になるあの人を追跡調査!野球探偵の備忘録(27)】今年の夏の甲子園は作新学院(栃木)の優勝で幕を閉じたが、2009年夏、高校1年生史上最速となる148キロを記録し、鮮烈なデビューを飾った投手がいた。その後は、横浜(現DeNA)に入団し、一軍のマウンドを踏むも、以前の球速は戻らず、現在は独立リーグの群馬ダイヤモンドペガサスでプレーを続けている。かつて世代最強とうたわれた帝京・伊藤拓郎が“148キロの呪縛”と今を語った。

 

「たった一度でもいい。どうしても150キロを投げたい。それは今でも変わりません」

 

 高校1年の夏、伊藤は確かに甲子園のスターだった。各球団のスカウトからは「今大会ナンバーワン投手」「現時点でもドラフト1位」と最上級の評価。甲子園の舞台で1年生投手が投げた148キロは、それほどまでに衝撃的だった。そして、その「148キロ」がその後伊藤を苦しめる。

 

「取材で球速のことを聞かれることが増えて、自然と自分でも“もっと速い球を投げたい”と思うようになりました」

 

 球速を追い求めるあまり、2年春に右ヒジを故障。そこからはフォームを崩し、徐々にパフォーマンスを落としていった。当時指導を受けていたコーチが帝京を離れたことも遠因となり、フォームが固まらないまま最後の夏を迎えた。

 

「最後にどうしても甲子園に出たいという気持ちが勝って、そこで初めて球速を諦めたんです」

 

 スライダーと緩急を駆使した投球で東東京を勝ち上がると、1年半ぶりに聖地の土を踏む。初戦の花巻東戦で4回途中5失点。辛くも勝利を手にするも、登板を回避した2回戦八幡商戦で伊藤の3年間は幕を閉じた。試合後、涙はなかった。

 

「ホッとした気持ちがあった。注目を浴びて、そのなかで結果の出ない高校生活が終わって。そのころにはもう(周囲の評価が)落ちても仕方のないようなピッチング。甲子園に行けただけで満足だと思ってしまった」

 

 すでに自分の投球に自信もプライドもなかった。「もともと決めていたから」と出したプロ志望届で横浜から受けた9位指名は、だからこそ伊藤の心を揺さぶった。「命をかけます」。会見では大粒の涙を流した。

 

 プロ1年目は一軍の舞台も経験。だが故障を繰り返し、3年目の2014年、戦力外通告を言い渡される。

 

「やっぱりかという感じ。結果の世界で、結果を出していなかった。楽しさはない、悔いだけが残る3年間です」

 

 その年のトライアウトを受験するも、オファーはなし。球速は138キロにまで落ちていた。失意の伊藤に声をかけたのが、かつてのチームメートのアレックス・ラミレス(現DeNA監督)だ。

 

「連絡をもらって、直接会って話をした。『絶対戻れるから。一緒に頑張ろう』と言ってくれて」

 

 ラミレスが当時シニアディレクターを務めていた群馬ダイヤモンドペガサスに入団。当初はNPB復帰の足がかりというつもりだったが、今はその気持ちにも変化がある。

 

「入れてもらって、野球をやらせてもらっている。今年1年は群馬で優勝してという気持ち。トライアウトは今は考えていない。優勝争いになれば10月までシーズンが延びる。調整という意味でも、結果的にトライアウトにもつながってくる」

 

 先輩の存在も発奮材料だ。かつて帝京でエースの座を奪った山崎康晃(顔写真)が、今やDeNAの守護神。高校卒業後は交流のなかった2人だが、伊藤がDeNAを去り、入れ替わりで山崎の入団が決まった年の冬、帝京のグラウンドで偶然再会する。「あいさつをしたくらいですよ」と話す伊藤だが、DeNAから備品として送られてきた選手の“お下がり”のなかに山崎のグラブを見つけ、愛用しているという。

 

「山崎さんには特に言ってない(笑い)。高校時代は僕がエースでしたが、応援してくれる仲のいい先輩でした。あそこまでの選手になるとは、正直思っていなかった。驚きだし、うれしいです」

 

 昨年12月から今年2月まで参加したオーストラリアのリーグで手応えをつかみ、球速は一時146キロまで回復した。

 

「高校1年のときが僕のピーク。当時の自分に会ったら、言いたいことはいろいろあります。何をどうすればよかったかは今でもわからないですけど、あれがあったからプロに行けた。今はただ、(当時の148キロを)超えたいです」

 

 仲間のため、甲子園のため、一度は諦めた球速への思い。過去の呪縛を断ち切るため、伊藤の挑戦は終わらない。

 

 ☆いとう・たくろう 1993年4月2日、徳島県阿南市生まれ、東京都練馬区出身。小学校2年のとき投手として野球を始める。中学では東練馬シニアに所属、3年時に日本代表に選出される。帝京では1年春から公式戦に登板し、1年夏、2年春、3年夏と3度の甲子園出場。1年夏3回戦の九州国際大付戦で高校1年生史上最速となる148キロをマークする。2011年のドラフト9位で横浜に入団。2試合で0勝0敗、防御率0・00。14年に戦力外通告を受け、15年からは独立リーグ群馬ダイヤモンドペガサスでプレー。185センチ、89キロ。右投げ右打ち。

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