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現代野球の常識を覆した健大高崎の盗塁技術「機動破壊」戦術のすべて


走塁練習を披露する平山

【気になるあの人を追跡調査!野球探偵の備忘録(15)】2014年夏、積極的な走塁を武器に甲子園で旋風を巻き起こした健大高崎(群馬)。その盗塁技術は現代野球の常識を覆し、4試合で26盗塁と驚異的な数字を叩き出した。1大会8盗塁の大会タイ記録に93年ぶりに並び、チームのスローガン「機動破壊」の象徴ともなった1番打者、平山敦規がその戦術のすべてを明かした。

「もともと足には自信があったけど、中学まではただ速かっただけ。技術的なものはすべて健大(高崎)で教わりました。塁に出れず苦しい時期もあったけど、『四球でもお前が出れば二塁打になるんだから』と言われて気持ちが楽になった」

 走塁練習に多くの時間を割いていると思われがちな健大高崎だが、意外にも平山の代は当初、打撃中心のチームだった。

「1年の最初こそ基本的な走塁練習をしたけど、そこから2年の冬までは普通のチームと一緒。春までは打撃で勝負してたんですが、春季大会で打ち負けて。甲子園に出たいなら走塁は絶対必要だとなって、そこからはもう走塁練習ばっかりでした」

 毎日2時間以上、スタートからスライディング、打球判断などを徹底的に鍛え上げ、夏の大会直前に一気に技術面を養った。単純な盗塁以上にチームが徹底したのが、「偽走」と呼ばれるテクニック。

「要はフェイクの盗塁。“走ってくる走ってくる”と思わせて、プレッシャーをかけると、バッテリーは警戒してストライクゾーンを外してくる。“足がある”と意識させるだけでもカウントが有利になるんです。これで相手が自滅するパターンもけっこうありました」

 盗塁に欠かせないのが対戦相手の研究だ。投手のクセはもちろん、クイックのタイム、捕手の送球タイムまで調べ上げ、チーム内で共有する。

「クイックは1・3秒が基準です。キャッチャーの送球は2・0秒。健大(高崎)の投手陣のクイックは1・3秒以内なので、普段からこのスピードに慣れておいて、あとは個人が自分の走力と照らし合わせて仕掛けたり、逆に偽走メーンに切り替えたり。捕手の肩がいいときは変化球を狙います。カウントから予想したり、構えを見てとっさに偽走に切り替えたり」

 バッテリーのメニューも徹底して“盗塁基準”。試合前には控え投手が対戦相手のクセを完全にコピーして模擬練習を行う。

 この他にも打者が盗塁をアシストすることも。「バントの構えから引いたり、あえて思いっきり空振りしたり。もちろん守備妨害にならない範囲でですが、捕手が投げづらいところでギリギリの駆け引きをする」。準々決勝の大阪桐蔭戦では同点で迎えた4回裏二死一、三塁でダブルスチールを仕掛けるも判定は守備妨害。逆転の機会を逸したが、「自分たちの野球をした結果なので、あれはしょうがないですね」と後悔はない。

 大差がついても次の塁を狙う容赦ない走塁に、一部から「対戦相手を侮辱している」「点差が開いたら盗塁しないのがマナーだ」といった批判的な声も上がった。

「直接じゃないけど、叩かれてるっていうのは聞いてました。でも自分たちからしていつもしていることなので、それが普通。気にしてないし、むしろ(手を)抜いたほうが相手に失礼だと思うんですけどね」

 一度負ければ終わりのトーナメント、大逆転もあり得る高校野球で、その戦術が間違いではないと胸を張る。

 一方で「機動破壊」の申し子は、その限界も感じているという。

「でかい選手もいるにはいるけど、やっぱり走れる選手が中心。チームとしては強くても、プロに進むにはやっぱり打力も鍛えなきゃ。自分はそう思いますね」

 2014年のドラフト7位でロッテ入りした脇本直人外野手(19)も、結局は打力を買われての評価だった。東海大進学後春の大会でいきなりベンチ入りを果たした平山も、その後はBチーム落ち。

「今年はベンチにもう一度入って自分のできることをやりたい。3年でレギュラーに定着できるように」と今は打力を鍛え巻き返しを狙う。

 それでも甲子園で残した功績は後輩たちの大きな糧だ。特徴的な強豪校はその戦術を分析され対策を立てられるのが常だが、機動破壊にはこれが当てはまらないという。

「『機動破壊』っていう言葉のインパクトも大きいと思う。偽走もそうだけど、試合前から“走るチームだ”っていう刷り込みがあるので、その裏をかくことができるんです。次は打力を鍛えて、甲子園をあっと言わせてほしい」

 21世紀の高校野球の新たなモデルを提示した健大高崎。大胆な戦術とその裏に隠れたイメージ戦略は、次の時代に受け継がれている。

☆ひらやま・あつき=1996年7月13日生まれ、千葉県千葉市出身。小学校2年生のとき千城台イーグルファイターズで野球を始める。当時のポジションは投手。中学では千葉東リトルシニアに所属、センターに転向する。健大高崎では3年夏に甲子園8強、4試合で京都一商・原田安次郎の大会記録に93年ぶりに並ぶ1大会8盗塁を記録する。卒業後は東海大に進学。166センチ、66キロ。右投げ左打ち。遠投100メートル、50メートル5秒9。

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