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06年夏の甲子園準々決勝 智弁和歌山vs帝京 10年後の激白


10年前の悪夢を今では笑顔で話せるようになった勝見さん

【気になるあの人を追跡調査!野球探偵の備忘録(9)】「甲子園史上最も壮絶な試合」とも言われるのが、2006年夏の準々決勝、智弁和歌山(和歌山)―帝京(東東京)戦だ。帝京が4―8で迎えた9回表に8点を取って大逆転。だが、智弁和歌山も9回裏に5点を挙げて逆転サヨナラ…。「魔物が2度笑った」とも語り継がれる激闘の裏では何があったのか。帝京最終回のマウンドに上がった勝見亮祐外野手が、10年の時を経て激白した。

 

 

「あの試合に負けたのは、すべて僕の責任です。前田監督のせいでも杉谷や岡野のせいでもない。僕が平常心で投げてさえいれば、あんなことにはならなかったんです」

 

 10年前、あの悪夢のマウンドを勝見はそう振り返る。4点リードで迎えた9回裏の先頭打者を四球で歩かせ、次打者にも四球。とにかくストライクが入らない。そこから「完全にストライクを取りにいってしまった」と橋本良平(元阪神)に3ランを被弾。あっという間に1点差に迫られた。

 

「ブルペンではそうでもなかったんですが、やっぱり緊張していたんでしょうね。マウンドに上がったらもう真っ白で、記憶がほとんどないんです。歓声も何も聞こえない…。ただ、相手の応援団の『ジョックロック』(※注)の音色だけがずうっと頭に響いていました」

 

 その後、さらに四球を与えたところで1年の杉谷拳士(現日本ハム)に交代。その杉谷も死球を与えて1球で降板すると、打撃投手の経験しかない3年の岡野裕也が左飛、中前適時打、四球、押し出しで逆転サヨナラ…。

 

「試合後は誰の顔もまともに見れませんでした。みんなに申し訳なくて。岡野とは家も近くて電車も一緒。明るいやつで、あいつとは一番仲が良かったんですが…。あの試合のことはお互い、しばらく触れられませんでした」

 

 ドラマのきっかけは4点を追う9回表、円陣を組んだ選手たちに前田三夫監督はこう問いかけたという。

 

「大田に代打を出す。誰かいるか?」

 

 すでにこの試合では先発の1年・高島祥平(元中日)以下、2年・垣ヶ原達也、2年・大田阿斗里(オリックス)と継投。この年の公式戦ではこの3投手しか登板しておらず、大田に代打を出すということは、投手を使い切ることを意味した。

 

「でも、驚きというのはなかったですね。4点差ぐらいなら何とかなる。逆転するためには代打でいくしかない。投手の経験がある人は僕を含めて何人かいましたし、むしろ、監督が僕らに代打の人選を聞くことのほうが驚きでした」

 

 代打に指名されたのは3年の沼田隼。「僕らの誰もが『沼田しかいない』という思いでした」という沼田は三ゴロに倒れるも、そこから連打で打者一巡後、再び回ってきた打席でこの回8点目となる3ランを放つのだから何が起きるかわからない。

 

 だが、逆転したはいいものの、9回裏に登板する投手が誰もいなくなったのは「前田監督の采配ミス」とも言われた。それでも勝見は「あれは采配ミスなんかじゃありませんよ。自分も普通にやれば勝てると思ってましたし、久しぶりの登板ということにも不安はありませんでした。でも、今にして思えば『4点差あれば大丈夫』という油断があったのかもしれません。しっかりブルペンから準備して、もっと慎重に投げていれば…」。今でもあの時のシーンは夢に出てくるという。

 

 それでも「仲間や周囲の人たちには救われました。お前の責任じゃない、いい経験をしたんだと言ってもらえて。おかげで今では、変に気を使われるよりも『お前のせいで負けたんだ』って笑い話にしてもらった方が楽になりました」

 

 自身の結婚式には自らの提案で3ランを浴びた場面の映像を流してもらい、大ウケだったという。「前田監督にはちゃんと謝ってはいないのですが、いつかちゃんと謝りたいですね。いろいろ厳しいことも言われましたが、あの場面で僕を投げさせてくれたのは、信頼してくれてたからだと思うんです」

 

「すいません監督、あの試合、勝ってました!」

 

 そう言って勝見は、甲子園のマウンドでは見せたことのない明るい表情で笑った。

 

 

※注=智弁和歌山ブラスバンドによるチャンステーマ。この曲が流れると大逆転劇につながるとして「魔曲」とも呼ばれる。

 

 

☆かつみ・りょうすけ=1988年4月11日生まれ。27歳。東京都出身。180センチ、80キロ。右投げ左打ち。練馬リトルシニアから帝京高に進み、高校2年夏までは投手。肩を故障したため、3年夏は「2番・中堅手」として甲子園に出場。強肩強打、走攻守三拍子揃った選手として注目される。卒業後は首都大学リーグの日体大で野球を続け、クリーンアップを務める。大学で教員免許を取得し、現在は学校法人三幸学園「キッズ大陸」に勤務。教育関係の仕事に従事している。夫人と1男。

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