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ワイン評論家ロバート・パーカーが94点つけた! 僕が造ったワインの秘密


スキンヘッドがトレードマークのアイアネッタ(ロイター=USA TODAY Sports)

【元局アナ 青池奈津子のメジャーオフ通信=クリス・アイアネッタ捕手(ロッキーズ)】世界で最も影響力のあるワイン評論家の一人、「ワイン・アドヴォケイト誌」創刊者のロバート・パーカーが「この生産者が誰かは知らないが、何とも素晴らしいナパのカベルネソービニオンを届けてくれた。健康的な深いルビーパープルの色合いで、すでに親近感のある味わいながら、向こう10年も変わらずに楽しませてくれそうなワイン」と100点満点中94点という高得点をつけてJackの2013ビンテージワインを称賛した。

 このワインこそが、クリス・アイアネッタとバーノン・ウェルズ(元大リーガー)が経営するワインブランド・Jackの初期のころの赤ワインだ。

「2012年に3か月のDL入りをして、少々暇を持て余している時にバーノン・ウェルズとワインの話で盛り上がって、自分たちのブランドを持とうかって。ナパにいくつかコネクションがあったから、ワインメーカーのグラントを紹介してもらって、造りたい感じのワインを決め、キーポイントになる味を選び、ブドウ園からブドウを買い取ってワインを造ったんだ。グラントの目利き、舌利きによるところが大きいけど、丁寧に管理され摘み取られたブドウで発酵プロセスをしっかりやれば高品質なワインは造れるんだ」

 クリスとは数年の付き合いなのだが、こんなに冗舌とは知らなかったとばかりにワインの話に熱くなった。

「僕の祖父母は、イタリア系移民だったから、ワインは常に生活の一部だった。日曜日の家族ディナーだったりホリデーパーティーだったり、食事の時には必ずワインがテーブルの上に。父母方とも、祖父が自分たちのワインを造るために移住先のロードアイランドでもファーマーズマーケットに行っては、ルビーカベルネグレープを丁寧に試食しながら選んでいる姿を今でも覚えているよ。祖父がブドウをたるに入れて押し潰し、発酵させていると、必ず祖母がコバエが嫌だって文句を言うんだ。近くに座って、祖父の人生ストーリーやワインへの愛を語るのを聞いているのが大好きだった。今の僕のワイン好きの原点となっているのは間違いない。まだ幼くて祖父のワインを理解することも味を楽しむこともできなかったけど、祖父が皆にワインをよく求めていたのは覚えているんだ。家族や友人たちから大人気で、『ガレージ(で造られる)ワインなのにすごくおいしい』と褒めたたえられていた。大リーグに上がった07年、チームディナーへ行くと毎回のようにワインが頼まれていた。実家での習慣が思い出されたよ。そんな折に祖父が亡くなって…。以来、僕にとってワインは祖父を思い出させてくれるかけがえのないものになったんだ」

 ワインをきっかけに、家族や友人たちの会話を先導する、そんな空間の手助けがしたいのだとクリス。「ワインへのパッションと同時に、僕らは家族への情熱もすごくあって、それでブランドの名前を自分らの子供の頭文字から取ったんだ。バーノンのとこのジャクリーン(J)、クリスチャン(C)、うちのアシュリン(A)とカイリー(K)。バーノンも僕も、野球選手が造るワインじゃなくて、たまたま飲んだワインの生産者が大リーガーだっただけってことでありたい。利益? 出ているけど、出ていない。まだ、ね。種類を増やしたり、ワイナリーも購入したから、自分たちのブドウ栽培も始めたんだ。それにワイン造りよりもマーケティングの方が難しいって体感している」

 Jackのウェブサイトには見たこともない爽やかなクリスとバーノンの笑顔(ついでにインパクトの強い2人のスキンヘッドも!)がある。

「楽しいよ。野球人生が終わったら、ワインを売り込みに行ったり、新しいワインを造っている自分が想像できるんだ。世界中の人に僕らのワインを届けたい」

 クリスは目をキラキラと輝かせていた。

 今度ワインを飲む時はこの話を誰かに語ろうと思う。

 クリス・アイアネッタ 1983年4月8日生まれ。35歳。米国ロードアイランド州出身。183センチ、104キロ。捕手。2004年、ドラフト4巡目で指名されたロッキーズに入団。06年8月27日のパドレス戦でメジャーデビュー。08年には104試合に出場して打率2割6分4厘、18本塁打をマークし、翌09年のWBC米国代表に選出される。その後はエンゼルス、マリナーズ、ダイヤモンドバックスを渡り歩き、今季はロッキーズに復帰。110試合に出場して打率2割2分4厘、11本塁打、36打点の成績を残した。

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