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広島V3・松山竜平が独占手記 カープ強さの原点は「雰囲気の良さ」


本紙に独占手記を寄せた松山竜平

「育成のカープ」を象徴する存在の一人と言っていいだろう。プロ11年目で初の規定打席到達を目前にした松山竜平外野手(33)が打率3割3厘、72打点、12本塁打で球団初のリーグ3連覇に貢献した。優勝を決めた26日のヤクルト戦でも初回に守備で大ファインプレーを披露し、打撃では2安打2打点といぶし銀の働きを見せた。タナキクマルや選手会長の会沢、鈴木ら中心選手は年下ばかりで野間やバティスタも成長著しい。常にポジションを脅かされながらもジッと耐え、今季は国内FA権も取得した“鯉のアンパンマン”が本紙に独占手記を寄せた。

 ビールが目にしみて痛いです。でも優勝した後のビールかけは何度味わっても最高です。しかも今日は打って2安打2打点。一昨年、昨年に続いて優勝が決まる試合で打点を挙げることができました。

 守備でも「初回に松山が目の覚めるようなファインプレーをしてくれた」と緒方監督に優勝インタビューで褒めてもらったのだから、なおさらうれしいです。チーム一丸となって球団初のリーグ3連覇を達成することができました。

 これもひとえにファンの皆様の声援があったからこそ。本当に感謝しています。

 一昨年、昨年と過去に2度のリーグ優勝を経験していますが、個人的に今年は少し意味合いが違います。僕のキャリアの中で最も多くの打席に立ち、規定打席も視界に入った中で緒方監督を胴上げすることができたからです。

 昨季までは外野での出場がほとんどで、こんなに多く一塁を守ったのは初めてでした。これまでは持ち味の打撃でチームに貢献することを第一に考えていましたが、今季は守備に対する意識も強く持って臨みました。左翼、一塁とポジションの選択肢が広がったことで、野間が左翼で起用されても僕は一塁で試合に使ってもらえた。首脳陣には感謝しかありませんが、一方で結果を出さないと使ってもらえなくなるのがこの世界。あとは自分がしっかり応えられるかどうかでした。

 打撃面で良かったのは三振が少ないことです。バットに当てさえすれば相手の失策もあるし、どういう形でも出塁に結びつく可能性がグッと上がります。追い込まれても粘っていれば四球も増えてくる。ただ、まだレギュラーとは言えません。一塁にバティスタ、新井さんが起用されることでスタメンを外れることもありますからね。まだまだ向上心を持って野球に取り組んでいきたいと思っています。

 思えば紆余曲折のあるプロ野球人生でした。3年目を終えた時点で一軍出場はわずか2試合。2014年のオフには愛着のあった背番号37をドラフト1位で入団した野間に譲ることになり正直、ショックでした。でも、落ち込んだのは背番号変更が決まった当日だけ。この世界では気持ちの切り替えも大事ですから。

 そういう意味で、昨年の9・10月に初の月間MVPに選んでいただいたことは目の色が変わる、いいキッカケになりました。活躍が認められて年俸も生涯最高額になりましたし、今年は国内FA権もかかっていた。権利をどうするかはシーズン全てが終わってから考えることになりますが、発奮材料になったのは確かです。

 カープの強さについても触れておきましょう。原点にあるのは「雰囲気の良さ」だと思います。和気あいあい…というだけでなく、ピリッとした緊張感もある。今季限りでの現役引退を表明された新井さんや石原さん、一昨年まで一緒にプレーした黒田さんがつくり上げたものと言ってもいいでしょう。僕は「アンパンマン」に始まり、最近では首脳陣や年下の選手からも「マツコ」のニックネームでイジられたりしていますが、組織で戦っていく上でコミュニケーションが取りやすい雰囲気は絶対に必要で、僕も先輩たちのように欠かせない存在になりたいと思っています。

 最後になりますが、家族のサポートにも感謝です。ネタだと思われるかもしれませんが、3人の息子はいずれもアンパンマンのファンで、特に今は三男が夢中なんです。「アンパンマン、アンパンマン」と言ってテレビで放送されては録画して1週間見続け、翌週もそれを繰り返す。シーズン中は家族で過ごす時間も限られますが、アンパンマンやジブリの映画を一緒に見てリラックスすることも活力になりました。

 何はともあれ今日で一区切りはつきました。ただ、本当の戦いはまだ先にあります。昨季は悔しい終わり方でした。もう、あんな思いはしたくない。34年ぶりの日本一。鹿児島のじいちゃん、ばあちゃんに喜んでもらうためにも、そこだけを目指して頑張ります。
 (広島東洋カープ外野手)

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