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野球人生最後の村田節「横浜出たことに悔いなし!巨人で優勝してビールかけ…本当に興奮した」


引退セレモニーで涙ぐむ村田修一

【男・村田の栃木便り 最終回】だから後悔はない。横浜(現DeNA)、巨人、今季はBC栃木でプレーした村田修一内野手(37)が、惜しまれながら16年間の現役生活に別れを告げた。バットを置いた今、NPB通算360本塁打をマークした希代のスラッガーの胸に去来する思いとは――。山あり谷ありの野球人生を最後も“村田節”で振り返る。

 こんにちは、村田修一です。9日のファイナルゲームには多くのご来場をいただき、誠にありがとうございました。

 NPBで15年、栃木ゴールデンブレーブスで1年。簡単に野球人生を振り返ることはできませんが、長距離(砲)をウリにしてドラフトでプロに入り、初めて打った本塁打(2003年4月2日)は鮮明に記憶に残っています。プロ野球の投手であるヒサさん(巨人・高橋尚成)から、東京ドームというプロ野球の球場でホームランを打つことができた。プロでも長打は通用するのかな。そんな自信が芽生えた打席でした。初本塁打、100号、200号…300号。記念のボールはすべて実家に送ってあります。

 成功もあれば、失敗もある。それが野球。ご存じの通り、本塁打もあれば、三振やゲッツーもあります。数ある併殺打の中でも思い出深いのは無死一、二塁の場面で、ベンチからは右打ちのサイン。「右打ちしたらゲッツーなんだけどなあ」と思いながら指示通りに右打ちをしたら、見事なまでの4―6―3のゲッツー。「サインに従って右打ちしたら、やっぱりゲッツーになったんだけど、俺は何をしているんだろう…」なんて思ったこともありました。ですが、次の打席で満塁ホームランを打てば、そのゲッツーはチャラになる。これも野球だと思います。

 そんな僕の野球人生で、一番こだわったのは試合に出続けるということ。ベンチで出場機会を待ち、途中から出られる程度のケガならスタメンで出る。ポジションを取られたくないという思いを持ち続けてきました。横浜の時には脇腹の肉離れも経験しました。正直、ホームランを打てる状態ではなかったですが、ヒットなら打てる。それなら先発で出る。そういう思いでした。

 強烈な自打球が当たったこともありました。骨が折れても親指、小指なら試合には出られる。どんなに腫れていても検査して「折れています」と言われたら終わり。登録抹消になる。だから検査しない。今の若い選手たちも、一度取ったポジションは自分が無理だと思うまで、チームに迷惑をかけない限りは守り抜いてほしいと思います。

 どんなにつらい思いをしても耐えられたのは、ほんの一瞬の喜びのため。巨人に移籍して初めて優勝した時は本当にうれしかった。ビールかけの瞬間は本当に興奮しましたし、優勝したくて横浜を出る選択もしました。

 あの時、もし横浜に残る選択をし、ケガもせずにいたのなら、今もNPBでやっていたかもしれないし、筒香たちと一緒に野球をやり、2000安打まで面倒を見てくれていたのかもしれない。でも、それでは果たして僕の中で現役をやり切った感があったのか…。

 WBC(第2回)に行って、ケガをしてシャンパンファイトをできなかったことも大きかった。ケガをしていなければ世界一のシャンパンファイトをしていたはずです。そうなれば、NPBで「絶対に優勝したい」という気持ちも芽生えなかったのかもしれない。それは僕にも分かりません。

 ですが、横浜を出て行ったのは僕自身ですし、それを否定するつもりもありません。その時々のベストの選択をしたつもりです。おかげで、こうして僕はいろいろな人と出会い、いろいろな人の野球観に触れることができました。栃木に来ることがなければ、これだけ過酷な環境、移動の中でやっている野球を感じることもできなかった。

「あの時、村田がFAしなかったら、BCリーグに行くこともなかったのに」という人もいます。しかし、僕はハッキリと言えます。違います。BCまで経験させていただいて感謝しています。

 9日をもって、選手としての村田修一は終わりました。今後については、支えてくれた家族と相談しながらゆっくり進んでいきたい。自分の中では、今まで経験したことを若い選手たちに伝えていきたいという思いはあります。教える楽しさ、難しさを知りました。谷津だったり、内山なんかは打率1割だったのが7月は5割1分3厘(39打数20安打)で月間MVPまで取りました。僕がNPBの一軍にいれば、自分が生き残ることで精一杯。肌で感じることができなかった喜びでした。

 応援してくれた皆さん、たくさんの仲間、家族に支えられ、僕は幸せな野球人生を送ることができました。引退を機に、この連載もひと区切りとさせていただきたいと思います。短い間でしたが、ありがとうございました。

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